サンパウロはMFルーカスを2500万ユーロ(約25億2000万円)で手放す用意がある。わずか2年前、8000万ユーロ(約80億6000万円)の違約金で彼を守っていたことを考えれば、獲得への招待と言えるだろう。ルーカスはサンパウロの環境との関係が破たんしており、ロンドンオリンピックが終わればヨーロッパへ行くだろう。

選手の代理人は毎日のようにインテルのマルコ・ブランカTD(テクニカルディレクター)とコンタクトを取っている。選手のファーストチョイスは、依然としてインテルなのだ。だが、それも5月末までとなる。ルーカスとサンパウロはほかの解決策も手にしているのだ。

ルーカスはトッテナムへの道を排除したが、バルセロナが名乗りをあげたことを喜んで受け止めている。リオネル・メッシとコンビを組みたくない選手などいないだろう。次の動きはインテル次第だ。問題は、MFヴェスレイ・スナイデルを放出するかどうかである。サンパウロに支払う移籍金をねん出し、ルーカスのために適切なポジションを用意するために必要なことだ。ルーカスとスナイデルの特長は異なるが、好むポジションは2トップのトップ下と同じである。

同じくサンパウロのMFカセミロも話題となっている。10か月前にナポリ移籍へ近づいた選手だ。同選手は今季活躍できず、ルーカス同様にその市場価格は下がっている。今では1000万ユーロ(約10億円)からスタートできるだろう。

カセミロを狙っているのはジェノアだ。エンリコ・プレツィオージ会長は中盤の入れ替えを望んでおり、MFミゲル・ベロゾやMFユライ・クツカが放出されるかもしれない。また、FWマッティア・デストロの共同保有権を売ることで、カセミロ獲得の資金を手にすると見られる。

2部降格のゴイアスでは、23歳のDFトロイが注目される。1年前にチェルシーやトッテナム、ミランもチェックしていた選手だ。トロイに関しては、ローマとラツィオが争奪戦ダービーを繰り広げるかもしれない。

唯一の問題は、30日まで彼の去就はスポルティング・リスボンが握っているということである。700万ユーロ(約7億円)で獲得するオプションを手にしているのだ。ただ、スポルティングはこの金額を払うつもりがないようで、近いうちにイタリア勢の攻勢があるかもしれない。ローマの2クラブ以外には、パレルモもレースにいる。

7月には、サンパウロからトッテナムにレンタル移籍したものの、契約の問題からプレーできていないDFブルーノ・ウビニも、イタリアに上陸するかもしれない。ブラジル代表のマノ・メネゼス監督は、今回の親善試合に向けて同選手を招集している。新天地を見つけるためには理想的な舞台だ。同選手の獲得レースには、ジェノアとローマがいる。