英紙ガーディアンはこのほど、中国のハッカーがフェイスブックを利用して、北大西洋条約機構(NATO)のラムスセン事務総長の情報を盗み取ったと報じた。中国メディアの環球網が11日付で報じた。

 同紙は、中国のハッカーが「ラムスセン事務総長の名前を用いてアカウントを作成し、彼と親しい人物から個人情報を盗んだ」と伝えた。現時点でNATOは確証をつかんではいないものの、関係者は中国からの攻撃と見ている。

 また、BBC放送(BBC)中国語版は英紙サンデー・タイムズを引用し、中国のハッカーが米国のステルス戦闘機F35のデータを盗み出すため、開発に参画する英防衛産業大手BAEシステムズのコンピューターに18カ月間にわたってサイバー攻撃を仕掛け、情報を盗みとったと報じた。

 米国議会の政策諮問機関である米中経済・安全保障調査委員会は8日、中国のサイバー攻撃は米国軍にとって脅威となると報告した。米国と中国との間で衝突が生じた際には、「中国は必ずサイバー攻撃を仕掛けるはずだが、米国は現時点で明確な対処策を持っていない」と指摘した。

 一連の報道に対し、中国の環球時報は「わが国はこうした指摘の過ちを指摘し、その都度、反論している」とし、中国外交部はサイバー攻撃は国際性と匿名性を特徴とするもので、調査前の証拠がない状況でどの国からの攻撃かを臆測するのは過ちと主張していると報じた。(編集担当:及川源十郎)