WBA世界バンタム級王者・亀田興毅(25)が「2011年度年間優秀選手」に選ばれ、1月25日東京ドームホテルで表彰式が行われた。ところが亀田は選ばれた8人の王者の中でただ1人欠席。昨年度に続く2度目の栄冠に、またも姿を現さなかったのだ。

「亀田一家はボクシング界で孤立しているが、それにしても子供っぽすぎる」

 と関係者はアキレている。

 ノンフィクションライターの織田淳太郎氏が言う。

「3階級制覇を成し遂げ、本人は凄い偉業を達成したと思っているはずです。ところが、ボクシング界やボクシング通の玄人筋はさして評価をしてくれない。それが不満なんですよ」

 何しろ人一倍の目立ちたがり屋。本人はかつて、「MVP以外(の表彰式)なら行かない」と話していた。

 しかし、評価が低いのもしかたがないと織田氏がこう語る。

「亀田興毅のこれまでの対戦相手を見るかぎり、倒しやすい相手を選んで闘ってきたとしか思えないですよ。ボクシングは勝つか負けるかのスリリングなスポーツです。現在チャンピオンに輝いているスーパーバンタム級の西岡利晃やミニマム級の井岡一翔は強豪選手を打ち負かしてチャンピオンにのし上がっただけに、玄人筋に人気です。巧みなマッチメークで誕生した『作られたチャンピオン』の評価が低いのは致し方のないことだと思いますね」

 亀田ジムは先頃、V4戦の相手が、10敗もしている“安パイ選手”になったと発表した。

 これで亀田は、一昨年12月の王座決定戦に勝利してタイトルを獲得してから4試合連続指名試合を回避、対戦相手も同級14位、8位、12位、そして今回も12位と無名の下位選手ばかり。

「チャンピオンが自分の闘いやすい相手とばかり対戦するのは公平ではない。さらに、強豪選手にチャンスを与える意味もあって指名試合は行われます。タイトル奪取後3戦目くらいに指名試合を行うのが普通で、亀田のケースはかなり異例ですね」(織田氏)

 実は亀田陣営は昨年暮れ、WBAスーパーフライ級1位の次男・大毅が世界戦を闘い敗れた。ところが、その世界戦の相手が負傷で休養中の世界王者・清水智信ではなく、暫定王者テーパリット・ゴーキャットジムだったのだ。

「ファンは首をかしげました。普通なら清水の回復を待つべきです。ところが、ボクシング界から永久追放の父・史郎氏とライセンスの無期限停止の亀田ジム前会長がWBAに何らかの働きかけをしたと言われています」(スポーツ紙記者)

 結局、WBA、WBCなどの認定団体に強い力はないと言われる。

「プロモーターやマッチメーカーがカネにものを言わせて、ランキング操作したり、指名試合回避を認めさせるのは日常茶飯事。ファイトマネーを巡って折り合えなかったとか、理由は何とでも説明できる」(ボクシング関係者)

 ロートルボクサーにも敗れた大毅はともかく、興毅はボクシングセンス抜群と言われるだけに、つくづく残念だ。