ドコモspモードのメール不具合は最大10万人に影響、原因は設備故障からサーバ輻輳

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ドコモのspモードで20日火曜から発生していた接続障害および、間違った相手にメールが送られてしまう可能性のある不具合について、ドコモが詳しい経緯を公表しました。spモードメールの不具合は、ユーザーのメールアドレスが他人のアドレスに設定されてしまうというもの。そのまま送信すれば受信側からはその(誤った)アドレスから届いたように見え、返信すると本来の送信者ではなく誤ったアドレスに届きます。ユーザーでとれる対策は端末を一度再起動すること。

ドコモの発表によると、原因は20日午後0時22分に、関西の中継伝送路で故障が発生したこと (保守作業中の回線切断事故)。回線そのものは短時間で復旧したものの、その後spモードを利用するスマートフォンが一斉に再接続を要求したためspモードのサーバで輻輳が発生し、端末とメールアドレスのひも付け(IPアドレスの払い出し)が破綻した状態になったとされています。

この不具合で影響を受けた可能性があるのは、最大でspモード約10万契約分。spモードサーバの自動補正機能により同日午後6時頃には概ね解消したと「思われる」ものの、ユーザーに対しては22日の午前中までは、端末を一度再起動してから使うことを求めています。またこの不具合を受けて、影響を受ける可能性のあるSPモード関連サービスは一時的に停止しています。サービスの例はSPモードの設定関連から、DCMX・iD の初期設定・お引越し、spモードコンテンツの決済、Androidマーケットのドコモ決済、そのほか各種の申し込み・手続き系サイトなど。

再発防止策として挙げられたのは「ネットワーク全体の処理能力と処理手順の総合的な見直し」。当面の対策としてはサーバのチューニングによる処理能力増強、IPアドレス払い出しプロトコルの改善。要するに顧客に対してはスマートフォンへの切り替えを進めているものの、通信量の増大や接続管理に必要なサーバ能力の増強にドコモ側が対応しきれていない状態を改善しますという話です。

回線や基地局では他社を圧倒する品質をうたうドコモですが、スマートフォンが利用するspモードでは今年の8月にも6月にも大規模な障害を発生させています。「つながらない・遅い」ももちろん発生すべきではありませんが、メールを誤った相手に送信してしまうかもしれない不具合はさらに次元の違う困った問題。最悪でもグレースフルに止まってくれるようでないと恐ろしくて使えません。