マンチェスター・シティでロベルト・マンチーニ監督と衝突したFWカルロス・テベスが、レアル・マドリーへ移籍することがあったら? 現時点では、実現からは遠い可能性でしかない。だが、今からマーケットが再開する3カ月間では、たくさんのことが変わり得るのだ。

レアルのジョゼ・モウリーニョ監督は、もう1人のストライカー獲得を歓迎している。今のところはカリム・ベンゼマとゴンサロ・イグアイン、場合によってはクリスティアーノ・ロナウドのポジションを変更することで乗り切っている。だが、ひとたび風が吹けばさらされてしまうだろう。

テベスであれば、モウリーニョ監督も喜んで獲得するはずだ。昨年、イグアインがヘルニアの手術で離脱し、ベンゼマしかいなかったときに、モウリーニョ監督は声高に補強の必要性を訴えた。ホルヘ・バルダーノ氏との“戦争”の末、フロレンティーノ・ペレス会長は監督の希望を叶えることにし、マンCからレンタルでエマヌエレ・アデバヨールを獲得している。この補強はポジティブなものとなり、両クラブの良好な関係を考えれば、テベスが動くことで両クラブ間の移籍が繰り返されるかもしれない。

またこの数日、マドリッドではレアルがリヨンの2選手を狙っていると騒がれている。22歳のMFマキシム・ゴナロンと、20歳のMFクレマン・グレニエだ。これが、ジネディーヌ・ジダン氏がモウリーニョ監督のスタッフ入りしたことでもたらされた“販路”なのは当然である。ジダン氏はベンゼマの再生に貢献し、DFラファエル・ヴァランの獲得を後押しした。フランスへの道が活発なのは明らかである。

一方、ライバルのバルセロナもフランスを見ているが、方向は異なる。ペップ・グアルディオラ監督率いるバルサが注目しているのは、2年前にオサスナからマルセイユへ移籍したDFセサル・アスピリクエタだ。右サイドにはDFダニエウ・アウベスに加え、U-21スペイン代表で欧州を制したDFマルティン・モントーヤもいるが、アスピリクエタに対する関心は本物だ。