中国浙江省温州市で23日夜に発生した高速鉄道列車の追突脱線事故。中国当局は事故発生から1日半で運転を再開した。この事故に関連し、複数の韓国メディアが報じている。(イメージ写真:中国高速鉄道の事故現場の様子)

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 中国浙江省温州市で23日夜に発生した高速鉄道列車の追突脱線事故。中国当局は事故発生から1日半で運転を再開した。この事故に関連し、複数の韓国メディアが報じている。

■「中国高速鉄道、温州で衝突事故(2011年)」に関する写真

 韓国メディアは、この事故についてはいくつかの疑問点があると伝えている。中国政府は「ブラックボックスを発見し、これを分析して調査している。結果が出次第、すぐに公開する」と発表した。1次調査の結果では、落雷によるシステムの故障により、後続列車に停止信号を送ることができなかったため事故が発生したということだが、釈然としない点が多いと指摘している。

 事故発生後の現場では、鉄道当局は墜落した車両を地面に埋めるという場面が目撃された。救助作業は終わっていないのに埋めたのは、結局、事件を隠蔽(いんぺい)しようとしたのではないかと疑問を呈した。

 これに対し中国の鉄道当局は、「豪雨のために現場が泥沼に変わり、重機器が入れなかった。事故処理を速やかに行うためのものであり、事件を隠そうとしたわけではない」と釈明したが、事故原因究明の鍵を握っている車両を地面に埋め込んだのは、常識的に納得しにくいというのが大半の意見だと指摘。

 また、後続の列車が安全な距離を確保することができなかった理由についても、高速鉄道では通常は7〜8キロ間隔で信号が設置されており、自動的に安全距離区間に別の列車がないという信号を与え、車両は通過できる。なぜ2台の列車が同時に安全距離内にあり、自動停止システムが作動しなかったのかも疑問が残るとの見方を示した。

 一部の専門家は、中国が国力を誇示するために打ち出した、この高速鉄道の車両自体に、致命的なエラーがあったのではないかと指摘している。韓国のキム・ギファン鉄道技術研究院高速鉄道研究センター長の「中国当局は、構造的な欠陥を隠していると思う」というコメントを紹介し、その事実を隠すため、異なる事故原因を発表しているのではないかという疑問を提起している。

 中国は現在、米国、ロシア、ブラジルなどが建設を予定している高速鉄道事業の受注を狙っており、国土部関係者は「米国、ブラジルなどへ高速鉄道輸出を計画している中国が、事故自体を縮小した可能性がある」との見方をしている。(編集担当:李信恵・山口幸治)



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