ロサンゼルス・ギャラクシーに所属するMFデイヴィッド・ベッカムは、これから3月まで“フリー”の状態となる。その後は新シーズンに向けてギャラクシーに合流するが、ベッカムはプレーせずに3カ月を過ごすつもりはないようだ。先日、同選手はヨーロッパで3カ月プレーすることを考えていると明かした(「ただし、ミランはない。こんな短期間でグループに溶け込むことは不可能だからね」)。そこで、ベッカムの元にはオファーが届いている。

最初に歩みを見せたのは、トッテナムのハリー・レドナップ監督だ(しかし、その後同監督は撤退。おそらくはドレッシングルームのバランスを脅かさないためだろう)。次に、エヴァートンのデイヴィッド・モイーズ監督。一方、レスターのスヴェン・ゴラン・エリクソン監督は、ベッカムに加入を要請したとの報を否定している。

そして24日、英紙『デイリー・スター』の中で、アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督が、「アーセナルでのベッカムをすごく見てみたい。彼はプロとして素晴らしい模範だからね」と、ベッカムの加入を望んでいると語った。2年前、ベッカムは冬のリーグ中断期間にアーセナルでトレーニングをしている。

だが、そのときに移籍は実現しなかった。ポジションが埋まっていたからだ(その後ミランヘ)。その状況は現在も変わっておらず、ヴェンゲル監督も「あのポジションでプレーする選手としては、(セオ・)ウォルコットに(サミル・)ナスリ、(アンドレイ・)アルシャビン、(カルロス・)ベラ、そして(エマヌエル・)エブエがいる」と述べている。つまり、ベッカムがエミレーツ・スタジアムに来ることは難しいというわけだ。

一方で、選手本人のハートの問題もあるだろう。ベッカムは以前からプレミアリーグへ戻りたいとの夢を隠していない(「プレミアがすごく懐かしい。世界で最もスペクタクルなリーグの一つだ」)。だが同時に、古巣マンチェスター・ユナイテッド以外でそれをするつもりはないとも話しているのだ。

「オールド・トラフォードの雰囲気をまた感じることができれば、素晴らしいことだろうね。でも、僕はそれを願いもしていない。いずれにしても、どこかへプレーしに行くだろう。調子を維持し、代表へのチャンスを手にしたいからね」

ベッカムはミランにレンタル移籍していた昨季、アキレス腱に重傷を負い、南アフリカ・ワールドカップに出場できなかった。そのベッカムにとって、イングランド代表のユニフォームは、マンUのそれと同じように再び着たいと願うものなのだ。3カ月後、ベッカムは自身を再び代表に招集するよう、ファビオ・カペッロ監督を説得できているだろうか?