韓国がフランスの協力を受けて開発した、韓国初の静止衛星「千里眼」が、24日に南米のギアナ宇宙センターから打ち上げられることが分かった。

 韓国教育科学技術省と韓国航空宇宙研究院は20日、すでに欧州宇宙機関(ESA)が開発した発射体、「アリアン5型ロケット」に搭載されたと明らかにした。

 この衛星は、23日には発射台に移送され、24日午前6時41分〜7時45分の間に打ち上げられる予定。打ち上げの31分後には発射体と分離し、その後、地上局との初交信を試みることとなる。

 韓国のメディアは、韓国教育科学技術省などの発表とともに、「千里眼」は、通信と海洋観測、気象観測の3つの機能をすべて搭載した静止軌道複合衛星であると紹介。

 打ち上げの後、7年間は東経128.2度、緯度0度の位置、3万6000kmの上空で24時間、衛星通信サービス、朝鮮半島周辺の気象、海洋観測などの任務を遂行することになる。この衛星は、韓国教育科学技術省と放送通信委員会、国土海洋部、気象庁の4部署が、フランスの協力を受け、2003年から共同で開発してきたもの。

 「千里眼」が打ち上げに成功し、約2週後の宇宙認証を無事に終えれば、韓国は世界で7番目に独自の気象衛星を確保した国となる。同時に、10番目に通信衛星の自主開発した国という地位を得るという。

 韓国のメディアは、静止軌道の海洋観測衛星を運用する国家としては、韓国が世界初となるとし、この分野における競争国であるアメリカなどに対して、先導的な地位も確保できるとの見方を示している。

 韓国は今月10日、ロシアの協力を得て開発した、初の人工衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)号(KSLV―1)」が分離に失敗、飛行中に爆発し、打ち上げが失敗に終わっている。それだけに、今回の打ち上げ成功を待ち望む声が高まっている。(編集担当:李信恵・山口幸治)



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