1月のドーピング検査で2度に渡りシブトラミンの陽性反応が見つかったフィオレンティーナFWアドリアン・ムトゥに対し、9カ月の出場停止処分が下された。同選手は1月29日に陽性反応が見つかってから、暫定的に出場停止中だったため、処分が終わるのは今年の10月29日となる。

ムトゥは暗い表情で裁判所を後にした。彼はより軽い処分を期待していたのだ。同選手は『Violachannel.tv』に対し、次のようにサポーターへ謝罪している。

「満足していない。3カ月減刑(求刑は1年間の出場停止)で、9カ月の処分となった。長すぎると思う。やるべきことを検討したい。もっと短い期間を期待していたからだ。ミスは犯したけど、一つの軽率な行動に対しては代償が大きすぎる」

「この数カ月、フィオレンティーナを離れなければならなかったことを残念に思っている。それを強調しておきたい。だから、サポーターには許しを請うよ。いることができなくて、本当に残念だ。みんなに謝りたい」

ムトゥの弁護士であるアントニオ・ダヴィッロ氏は、「1年の求刑で減刑を手にするのは簡単ではなかった。この3カ月の減刑は大きな結果だよ。もちろん、9カ月の処分が最高なわけではなく、アドリアンはとても残念に思っているが、これ以上は難しかった」とコメント。「処分理由を検討してから、CAS(スポーツ仲裁裁判所)に異議を申し立てるかどうかを判断する。だが、アドリアンのキャリアにとって重要な一歩は進んだよ。1年の処分になる恐れもあったんだ」と、満足感を表している。

もう一人の弁護士であるパオロ・ロデッラ氏も、「ムトゥはより軽い処分を期待していたが、これで彼は来シーズンのほぼすべてが救われたんだ。10月29日に戻るなら、最初の7、8試合に欠場しなければいけないだけだよ。この3カ月の減刑は大きなものだ」とつけ加えた。

一方、フィオレンティーナのサンドロ・メンクッチ代表取締役は、イタリア『ラジオブルー』に対し、「再犯扱いにならなかっただけで、すでに良い結果だった。さらに3カ月の減刑なら、成功と考えられるだろう。大事なのは、ムトゥがほぼすべてのシーズンを戦えるということ。我々はそれに満足している」と述べ、CASへの異議申し立てには否定的な見解を示している。