インテル最新CPU「Core i5」

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CPUはパソコンの性能を決定する重要なパーツだ。CPUメーカー最大手のインテルは2009年9月8日、「Lynnfield」のコードネームを持つ最新CPUを発売した。発売からすでに2週間が過ぎたが、続々と登場する新CPUに日頃からパソコンを使い慣れている人でも、従来のCore i7やCore 2 Quadなどとの違いを詳しく説明できる人は意外と少ないのではないだろうか。

そこで今回は、最新CPUは従来のCore i7やQuad Coreとの違いを簡単にまとめてみた。


■3種類のラインアップ
インテルが8日に発売を開始した最新CPUは、クロックの異なる3種類のCPUだ。
ひとつはメインストリーム向けの「Core i5-750(2.66GHz)」、残りの2つはハイエンド向けの「Core i7-860(2.8GHz)」「Core i7-870(2.93GHz)」であり、動作クロックが異なる。

Core i5とCore i7との違いは、ハイパースレッディング・テクノロジーの有無であり、Core i5はハイパースレッディング・テクノロジーを備えていない。ちなみに、ハイパースレッディング・テクノロジーとは、仮想コアを作ることで見掛け上CPUの数を増やし、処理速度を高速化させる技術のことだ。

価格はオープンプライス。実売価格は「Core i5-750(2.66GHz)」が2万円弱、「Core i7-860(2.8GHz)」が2万9,000円前後、「Core i7-870(2.93GHz)」が5万7,000円前後。

■Core 2 Quadや旧Core i7との違いは?
Core 2 Quadは、デュアルコア(2つのコア)のダイを共通の2次キャッシュに接続している。最新CPUは、同クロックのCore 2 Quadに比べて性能が高く、整数演算に強いという特性を持っている。後述のようにメモリーコントローラーも備えているので、メモリーアクセスも大幅に向上している。

旧Core i7は、4つのコアのひとつひとつに2次キャッシュを搭載したうえに、それぞれのコアが共通の3次キャッシュに接続されている。さらにメモリーコントローラーやQPIコントローラーを備えている。

Core i5や新Core i7は、旧Core i7と似た構造を持っているが、QPIコントローラーの代わりにPCIエクスプレスとDMIコントローラーを備えているのだ。これによりグラフィックスをCPUに直結できるようになり、画像処理の高速化とともにマザーボード上のチップを減らすことができるようになった。

■全自動でクロックアップ - ターボブースト
Core i5と新Core i7は、旧Core i7から採用されているターボブーストを踏襲している。ターボブーストとは、CPUの動作に余裕がある場合に自動的にCPUの動作クロックを上げてしまう機能だ。

直感的に言うと、全自動のオーバークロックというわけだが、常に動作クロックを上げているわけではないので、オーバークロックとは根本的に異なる。

最新CPUは、Core 2 Quadの技術をベースに内部構造を大幅に強化し、旧Core i7最上位モデル※には動作クロックで劣るものの、PCIエクスプレスを内蔵しているぶん、グラフィックス処理時には有利に働くというわけだ。
※Core i7-950(3.06GHz)

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