シアトルマリナーズ・イチローと深い交流があり、スポーツジャーナリストや俳優として活躍する義田貴士氏。そんな義田氏とイチローによる毎年恒例となった対決シリーズ=テレビ朝日系列『イチ流』、3日放送分ではイタリア・ミラノでファッション対決が行われ、服のデザインを手がけた両者が、自らモデルとなってファッションショーを敢行した。

また、同番組内では、義田氏によるイチローのインタビューを放送。2008年度、8年連続200本安打を達成したイチローの苦悩や葛藤を聞いた。

シーズン前には、8年連続200本安打を達成した唯一の選手=ウィリー・キーラーのレリーフ(浮き彫り)を前に、「一人しかいっていない領域ですから、僕も踏み入れていきたい」と語っていたイチローだったが、実際のシーズンは、オープン戦から26打席ノーヒットという苦しいスタートが待ち受けていた。

さらに、スロースターターとしても知られるイチローだが、7月に入ってもエンジン全開とはいかず、「大きな不安に襲われた。これは例年にはなかった。後半余裕を持たせるには、当然前半が大事になる。でも、それができなかった」と苦悩の日々を振り返った。

また、これまで積み重ねた経験については、「明らかに精神的なハンディキャップを背負っている。強くなっているどころか、弱くなっている可能性がある。要は怖さがどんどん増す」と話し、低迷したマリナーズに対しても、「(チームが不調の中で)僕は今まで一人しかやっていないことに挑戦する。そういう中でモチベーションを保てない人もいる。そういう人達に僕がトライしている気持ちが分かる訳もないじゃないですか?それを考えると孤独だなって思いましたよ」とその胸中を明かした。

それでも、モチベーションを保った方法を、「自分がいる世界以外のことを考える。例えば会社にいく。サラリーマンの人はどんな職場なんだろう。気に入らない上司もいるだろうし、気に入らない同僚も沢山いるだろうし。何もかも満たされて社会の中で生きている人なんて恐らくいないんだろうな。俺もね、頑張らんとなって」と話し、笑顔を見せた。結果的には、両リーグ一位タイとなる213本の安打を放ったイチロー。2009年には、前人未到の9年連続200本安打に挑戦する。
[スポーツウォッチ]