トニーレオン(撮影:野原誠治)
 公開2週目を過ぎても未だ勢いが止まらない、「レッドクリフ Part1」。アジア映画最高興収記録を持つ「HERO」と比べ、初日から3日間興行収入123%と驚異的なスピードで映画界を席巻している。映画ファン、三国志ファンはもちろん若年層の男女まで幅広い客層から支持される理由は、魅力的なキャスト陣にある。孔明を演じる金城武と共に、ダブル主演を務めるのは、中国人俳優というジャンルを超え、「花様年華」でカンヌ国際映画祭の最優秀主演男優賞を受賞したトニー・レオンだ。西暦208年から1800年の時を経て蘇った“愛と勇気の伝説”をトニー・レオンはどう演じきったのか。

――トニー・レオンさんは、以前より、「三国志」のことは知っていましたか?そして好きでしたか?

トニー・レオン:実は、この映画を引き受けてからはじめて三国志を読んだんですけど、この物語はすごく見応えがあって面白かったです。好きですよ。

――日本では三国志はテレビゲームもあったりして、とても親しまれているお話です。演じられたのが周瑜ですが、周瑜というのはどうしても病弱っていうイメージがあるんですが、演じる上で最も気をつけた点と、周瑜の好きな点を教えてください。

トニー・レオン:今回出演して思ったのは、周瑜っていう男は、非常に感性豊かです。音楽の才能もありますし、また責任感もあって素晴らしい軍事家なんですけど、繊細に出来ている男だなあと思っていて。見た目は男らしいですが、実は心は非常に細やかで色んなところに気がつく男だと思います。

――今回の作品で三国志を初めて知られたということなんですが、三国志の中の登場人物を選べるとしたらどの役を選びたいと思いますか?

トニー・レオン:もしね、もう一回やり直すと、選ばせてくれるんであれば、僕は曹操をやってみたいなあと。つまり、この作品の中の唯一の悪役ですよね。今までこういう役をやる機会が無かったので、ぜひ、試みたい。そんな気持ちです。つまりどういうことを言いたいかというと、この人物の内心のこの世界を体験させていただけると面白いかなあと思いますね。

――ジョン・ウー監督が「アクションシーンは全部で204カットあって、全部ハイスピードカメラを使ってスローモーションで撮影した」とおっしゃっていました。今回トニー・レオンさんもアクションに挑んでいますが、アクションシーンを撮影する際に体のどの部分に注意しますか?

トニー・レオン:僕としてはとにかく、自分のこのパートのこのアクションだけに専念しまして、あと他はもう正直言って分かりません。

――作中の衣装が凝っていて、とても重そうだったのですが、アクションシーンなどで苦労した点・難しかった点を教えてください。

トニー・レオン:そうですね、やはりこの衣装自体が一重ではなくて、何重にも着付けをしていて。特に僕の場合はマントがありまして、マントが非常に大きくて自分の持っている剣にひっかっかったり、歩いたら他の人の剣にひっかっかったりする、ことがよくあります。あと、頭の上では、まげみたいなものがあって、その上に羽も刺したりしますと、手に棒を持ってアクションする時に色んな所にあたってしまうんですよね。色んな問題があるんです。あと、時々歩いていて自分のマントを踏んでしまったり(笑)。