私が勤務していた会社は新宿２丁目の某ビルディングの５階にあった。

　ゲイバーではない、会社だ。

　ゲイの街のイメージが強いようだが、新宿２丁目はオフィスも意外に多い。朝８時半前後の新宿２丁目は、通勤のサラリーマンとお勤め帰りのその道の人々が交錯する不思議空間となる。

　それはともかく、その会社にはマッチョマンが多かった。中でも、千葉県から新宿２丁目まで、毎朝自転車で通っていた先輩や、千駄ヶ谷から歩いて通っていた事務の女性には驚かされた。ジム通いをしていた人も多かった。

　その会社が新宿西口の高層ビルディングの36階に移転した。

　移転後、初めて出勤して目にしたのは、エレベーターに群がる同僚たちだった。見知らぬ他の会社の人たちも一緒に待つこと10分、ようやく会社にたどりついたのは始業時間ぎりぎりだった。

　先に出社していた数人の中に、自転車通勤の先輩や、千駄ヶ谷徒歩の女性がいた。

　後日判明したのだが、この２人は、なんと、36階まで非常階段を上っていた！鍛え抜かれたその体は、心臓破りの段数をものともせず、一気通貫に上りきったという……。
　その一件以来、負けず嫌いが多かったその会社では、階段通勤とジム通いが流行り出した。

　健康ブームにつながったことは良しとしても、エレベーターの運用効率は、やはり高い方が望ましいだろう。こういった細かい使い勝手がビルのテナント入居率を左右しそうな気がしなくもない。

　そこで、より快適でより利用しやすい賃貸ビルを目指す皆様に試してほしいサービスがある。

　エレベータ研究所が提供するエレベータの平均待ち時間が求まる交通計算ツールだ。同研究所が５月31日から本格運営するエレベータ・ポータルサイト「ele-life（エラフ）」で利用できる。

　「ele-life（エラフ）」では、平均待ち時間を求められる計算ツールのほか、平均待ち時間を48％短縮できるエレベータの制御システム「ポストセレコレ」や、ユニバーサルシステム「TWINS」の計算トライアル機能などが搭載されている。
　これまで専門家にしか扱えなかったシステムを条件数値を入力するだけで、誰でも利用できるようにした。

　また、登録ユーザー同士で各種コンテンツやサイト上の掲示板でエレベータ運用のノウハウや専門知識の交換ができる。
　まだ、記憶にある方もいらっしゃるかも知れないが、一時期、エレベーターの事故が相次いだため、国土交通省から緊急点検が指示されたことがあった。こういった事故に関する情報も共有できるのではないだろうか。

　サービスの本格スタートを記念して登録ユーザーへのプレゼント企画も準備中と言う。登録は企業以外は無償となっている。

　エレベータはビル利用者の「生活の足」である。健康ブームもよいが、やはりエレベータは待たずに乗れた方が嬉しいと思う。

参照:http://www.value-press.com/pressrelease.php?article_id=24165

（編集部　須田翠）