7月11日、東京地裁に到着する熊谷被告。(資料写真:吉川忠行)

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「認めないなら堀江(貴文被告)と同じで、一生保釈されないぞ」。27日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれた証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われているライブドア元幹部4人の第5回公判で、同社元代表取締役、熊谷史人被告(28)は、拘留中の取り調べの際に、検察官からこう迫られたと証言した。

 裁判の争点の一つである携帯電話販売のクラサワコミュニケーションズの買収について、熊谷被告が買収に介在したファンドの出資割合を知ったのは、捜査段階で検察側から聞かされたのが初めてだったが、検察官から「買収段階から認識していた」と供述するよう強く求められたと証言。同被告がこれを拒否すると、検察官から「お前は堀江派か」と言われ、「一生保釈されないぞ」と迫られたことを明らかにした。弁護士に事実を主張するよう言われた同被告だが、「早く保釈されたいという気持ちが一番だった」と、一部自身の意に反して検察官に言われたとおりに供述証書に署名したことを認めた。

 元幹部に対する被告人質問の最後に証人台に立った熊谷被告は、自社株売却益を売り上げに計上した点について、「ファンドは連結対象外とみなしており、問題があるとの認識はなかった」と述べ、決算を粉飾したとする検察側の主張を否定した。

 その一方で、同被告は、架空売り上げを計上して粉飾したとされる15億円のうち、12−13億円は「架空と言われても仕方がない」と違法性を認めた。さらに、架空のコンサルティング業務をしたかのような資料の作成を部下に命じたことも明らかにした。

 4人に対する被告人質問は同日で終了。次回公判は9月8日に予定されている。【了】

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