外食大手でストロー廃止相次ぐ 水筒ブーム再び?

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 米スターバックスが2020年までに全世界でプラスチック製ストローを廃止すると発表して以来、日本でも、全国チェーンの飲食店やホテルを中心に、ストローの素材や扱いを見直す動きが加速している。
 例えば、すかいらーくホールディングスは、20年に開催する東京五輪・パラリンピックまでに、全業態の使い捨てプラスチック製ストローの使用を順次取りやめると発表。ファミレスの「ガスト」では、12月10日から、ドリンクバーに常備している使い捨てプラスチック製ストローを廃止した。今後は、希望者のみ、トウモロコシを原料とした生分解性のバイオマスのストローを提供するという。

 また、ハウスメーカーのアキュラホームとザ・キャピトルホテル 東急は共同で、「Wood Straw Project(ウッドストロープロジェクト)」を立ち上げ、国内の間伐材を含む国産材を活用した世界初の「木材ストロー」を開発。さらにクレコ・ラボの協力を得て、3社で協議・試作を重ね、製品化した木材ストローは、長時間使えないという難点がある紙製、洗浄の手間が発生する非使い捨てのガラス製、ステンレス製といった代替品の有力候補になりそうだ。

 繰り返し使用可能なタイプのストローは、専用ブラシで洗わなければならないなど、手入れが面倒で、衛生面で懸念が残る。となると、エコと経費削減を兼ね、ストローを全廃した飲食店でストローを使うために、個人の間では、「マイストロー」より、そのまま持ち帰りできる「水筒」や「蓋つきカップ(タンブラー)」が普及するのではないだろうか。

 エコブームや景気悪化を受けて、2009年頃、資源もお金も節約できる「水筒」が見直された時期があった。当時とは全く異なる理由で、およそ10年ぶりにブーム再来となりそうだ。特に、パーツを分解すれば食洗機で洗える直飲み・コップの2Wayタイプのプラスチック水筒は、大人用のニーズが高まると予想する。

 エコに協力するため、マイストローやマイカップ、マイ水筒などを持ち歩き、面倒な思いをするくらいなら、自宅でお店の味を再現しようと、本格的な家庭用かき氷器やアイスクリームメーカー、ソフトクリームメーカー、スロージューサーといった調理家電を求める人が増えるかもしれない。一見、些細に見えるプラ製ストロー廃止の影響は、外食業界にとどまらないだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)