試合後にうなだれたまま、ピッチを去るネイマール。セレソンのエースとして面目躍如の活躍ができなかったことで、非難は免れない。 (C) Getty Images

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【7月6日・カザン|準々決勝 ブラジル 1-2 ベルギー】

 南米勢唯一の生き残りであった王国ブラジルも、ベスト8で散った。

 13分にCKからフェルナンジーニョのクリアが、そのままネットに吸い込まれる不運な形で先手を取られたブラジルは、31分には速攻からケビン・デ・ブルイネに目の覚めるような強烈なミドルシュートを突き刺されて、差を広げられた。

 後半に入って攻勢に転じたセレソンだったが、引いてゴール前に人員を割いたベルギーの壁は分厚く、76分にレナト・アウグストのヘディングシュートで1点を返すのが、精一杯だった。

 最後まで攻め続けながら、頼みの至宝ネイマールが輝かず、ベルギーに屈したブラジル。4年前の母国開催の大会では準決勝でドイツに1-7と大敗し、雪辱を期して臨んだ大会だっただけに、ベスト8での敗退は期待外れとしか言いようがない。母国メディアでも当然ながら、ネガティブな報道が並んだ。

 有力メディアである『O Globo』は、「託した夢は潰えた」と銘打ったマッチサマリー内で、「最高のパフォーマンスではなかった」と、代表のプレーを酷評した。
 
「フェルナンジーニョのオウンゴールの後、セレソンは不安定になり、組織力を失った。我々が託した夢は潰え、いわゆる『黄金世代』のベルギーの理想をより実現可能なところまで引き上げさせてしまった。ブラジルは最後まで苦しみ、解決策を見出せず、その代償を支払うことになった」

 また、サンパウロを拠点に展開している地元紙『Esporte』も、マッチサマリーで、「『偉大な世代』であったはずのブラジルがなぜ、ベルギーに負けたのか? それについての議論は、おそらく尽きることがない」と記し、非難の矛先を無得点に終わった背番号10へと向けた。

「このワールドカップでのネイマールは、少しの輝きと常に多くの痛みを抱えていた。メキシコ戦やセルビア戦で満足のいく結果を残し、周囲を黙らせたエースだったが、ベルギー戦では存在を消され、華麗さを失った。目立ったのは、後半終了間際のPKを無駄にアピールする時だけだった。結局、スターが輝きを失ったブラジルは、残業する余地を与えられず、大きな痛みと憂鬱さを心に抱いて、ロシアを去るのだ」

 4年前の悔恨の念を払拭できずに今大会の終焉を迎えたブラジル。一体、サッカー王国の復権はいつになるのか。今は、その道筋は見えてこない。