平野歩夢【写真:Getty Images】

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平野が五輪後初戦のUSオープン初優勝 3位の名手ジェームズがそのクオリティを絶賛

 スノーボードUSオープンは10日(日本時間11日)、男子ハーフパイプ決勝を行い、平昌五輪銀メダルの平野歩夢(木下グループ)が89.62点で大会初優勝を飾った。平昌銅メダリストで今大会も3位だったスコッティ・ジェームズ(オーストラリア)は「アユムは圧倒的に最も完璧なスノーボーダー」と脱帽。米地元紙「ベイル・デイリー」が報じている。

 圧巻の二本目に89.62点の最高点をたたき出した平野が、昨年はアクシデントに襲われたUSオープン初優勝を果たした。

 平昌五輪では五輪史上初となる2連続4回転に成功するなど完璧な演技を披露した平野。3度目の金メダルを手にしたショーン・ホワイト(米国)と壮絶な死闘を演じたが、コロラド州ベイルでも主役になった。

「アユムは現時点で、圧倒的な差で、最も完璧なスノーボーダーだ。彼の完成度、高さ、トリックを成功させる流儀、回転は見るだけでアメージングなんだよ」

 五輪の舞台でも凌ぎを削ったスノーボード界のスーパースターの1人、ジェームズも脱帽したという。

ホワイトは不在も、スノーボード界の主役の座に

 これまでは五輪優勝3度のカリスマ・ホワイトが王座に君臨してきたスノーボード界。だがジェームズは状況は変わりつつあると分析している。

「間違いなくここ10年間、ショーンが集団の先頭にいた。自分たちがここまで成長したことで、自分も他の多くのライダーもワクワクしているんだよ。今やみんなの競技なんだ」

 一方で平野は「ここではこれまで2位と3位に終わっていた。自分にとって唯一欠けていたものだった。この場所は自分にとって、2番目のホームのように感じています」と語ったという。

 そして、ホワイトの“後継者”としてスノーボード界を牽引する意思ものぞかせている。

「大会を通じて、国際的にも注目される人間が必要だと思う。そして、若い世代がそれを目標としている。自分も年長者を見て育ってきた1人。彼らのようになりたいと、感じさせる存在になりたい。だからこそ自分は、日本ではなくて米国で練習を始めたのです」

 今大会はホワイトが不在だった。絶対王者との再戦にも注目が集まるが、ライバルも賞賛する「AYUMU HIRANO」の時代が到来したのかもしれない。(THE ANSWER編集部)