「成り上がるだけ」の時代に終わり…本田圭佑、選手としての集大成へ

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「別にサッカー界だけではなく、人は死ぬし、サッカー選手も引退する。僕も引退しますし、若手は出てきます」

 5日に敵地で行われる2018 FIFAワールドカップ アジア最終予選サウジアラビア代表戦に向けて、日本代表は現地入りしている。本田圭佑は、若手選手の成長、チーム内競争が激しさを増す日本代表の現状をこう語り、「これはごく自然な成り行きで、結果出す組織っていうのは若手とベテランの融合が大事」とポジティブに捉えている。

 今シーズンからは活躍の場をメキシコに移し、日本代表でも以前とは異なる立ち位置にいる。環境の変化に戸惑いも出てくると思いきや、「あんまりジタバタはしていない」という本田。「若い頃はすごく焦ってましたけどね。星稜高校に行った時くらいが一番焦っていましたね。そう考えたら、何ていうんかな…、サッカー選手としての先が明確に見えてる分だけ、ここから劇的に体力が伸びるわけでもないですし、成り上がるだけのサッカーキャリアではもうないので」と少し達観した様子。重ねた経験が本田を新たなステージに押し上げているようだ。

「みなさんで言ったらお金のために働くのか、お金のためだけに働かないでいいのかの違いかなと思うんですけど。やっぱり前者は新しいアイデアが生まれにくいですよね。余裕がないから。業務に追われてしまうから。僕も若い頃、サッカーサッカーっていうのが多かったし。今、後悔じゃないですけど、『ああやっておけばよかったな』というのは沢山ありますし。それを今はアプローチできるという視点で、変えるところは変える、ということですね」

 6月には31歳の誕生日を迎え、本田は間違いなくキャリアの終盤に差し掛かっている。それでも、「まだまだ成長すると思ってるので」と話し、現状が選手としての最高到達点ではないという。

「ケガ治りましたし、これからまたケガに見舞われることもあるかもしれないですけど、全てにおいてパワーアップしたいなと思ってます。まだまだこの経験をうまくいかせれば。努力の仕方も変えて、これまでの努力の仕方からまた新しい形で、今まで挑戦しなかった挑戦をして、新たにパワーアップした本田圭佑をみなさんに見せられたらと思ってます」