骨粗しょう症予防に必要なものといえば、すぐにカルシウムの名がでてくるのではないでしょうか。ところがカルシウムだけでは十分でないことが、近年の研究で明らかになっています。丈夫な骨を作るにはカルシウムの他に、コラーゲンが大きな役割を果たしています。

骨質を高めるコラーゲン

骨密度(骨量)は骨粗しょう症の検査に用いられ、骨密度が高いほど、骨が丈夫であることを示します。しかし骨密度が正常であるにもかかわらず、骨折しやすい人が少なからずいるそうです。近年明らかになりつつあるのは、骨を丈夫にするのはカルシウムだけでないこと。カルシウム以外にもコラーゲンが骨の形成に大きく関係し、コラーゲンが骨質を高めることが分かっています。

コラーゲンの劣化から骨粗しょう症に

骨はカルシウムだけでできているのではありません。体積から考えると、半分はカルシウム、残り半分はコラーゲンでできています。カルシウムとコラーゲンの関係を建築に例えると、カルシウムはセメント、コラーゲンは鉄筋といえるでしょう。カルシウムだけでは骨はもろくなり、コラーゲンが骨組みを作ることでカルシウムを補強しています。質の良いコラーゲンであるほど、丈夫な骨となります。しかしコラーゲンは加齢とともに劣化していき、コラーゲンの質が悪くなると骨を支えることができなくなり、骨全体がもろくなってしまいます。

コラーゲンの劣化は加齢だけでなく、血液中にホモシステインが増えることでも起こります。アミノ酸の一種であるホモシステインは、活性酸素を発生させコラーゲンを劣化させる働きがあります。それだけではなくホモシステインの有害な活性酸素は、血管を傷つけ高血圧や動脈硬化などの原因となります。ホモシステインは体内のビタミンB6、B12や葉酸が不足すると、血液中に増加しやすいと言われています。

いかにコラーゲンを劣化させないかが鍵に

骨粗しょう症を防ぐには、バランスの良い食生活が大事です。カルシウムを積極的に摂るのはもちろんのこと、コラーゲンの劣化を防ぎ骨質を高めるためにビタミンB6やB12、葉酸を摂ることも大切です。ビタミンB6、B12や葉酸はコラーゲンを劣化させるホモシステインが作られるのを抑制する働きがあり、骨粗しょう症だけでなく、動脈硬化や心臓病を予防する効果もあります。ビタミンB6はレバー(知ってる?レバーは女性に嬉しい成分がたっぷり!)やカツオ、まぐろなどに、ビタミンB12は魚介類やレバーに、そして葉酸は枝豆やモロヘイヤ、レバーなどに多く含まれています。それから適度な運動をすることも骨量を上げ、骨を丈夫にする効果があります。骨粗しょう症(骨粗鬆症の予防)は若いうちから対策しておくことで、将来骨折を防ぐことにつながります。


writer:Akina