ロジャー・フェデラー【写真:Getty Images】

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メルセデス・カップで復帰、ライバルは「マレー、ジョコビッチ、ニシコリ…」

 男子テニスロジャー・フェデラー(スイス)は7月のウィンブルドンに向け、12日に開幕したメルセデス・カップ(独シュツットガルト)で、いよいよ戦線復帰する。全仏オープンを全仏オープンを含むクレーコートシーズンを全休した35歳はATP公式サイトのインタビューに登場。良き宿敵、ラファエル・ナダル(スペイン)の10度目の全仏制覇を称え、今後のライバルの一人に錦織圭(日清食品)の名前を挙げている。

 フェデラーは昨年手術した膝への負担を考慮し、クレーコートでのプレーを避け、グラスコートのシーズンに万全を期した。

「十分な休息を取ったよ。私は今、練習面ではワールドチャンピオンかもしれないが、それを望んでいるわけではない。コートでの試合でチャンピオンになりたいのだから。シーズンの第二章はメルセデス・カップから始まる」

 記事ではこう語り、今大会を7月のウィンブルドンに向けた大事な前哨戦として捉えている。

 休養を取っている間、赤土で猛威を振るったのは盟友ナダルだ。全盛期を彷彿させる力強さでモンテカルロ、バルセロナ、マドリードの3大会を制覇。勢いそのままに、全仏でも圧倒的な力を見せ、「ラ・デシマ(スペイン語で『10度目の制覇』)」を達成した。

 世界に称賛を浴びた31歳の復活劇も、長年にわたって名勝負を繰り広げたフェデラーにとっては大きな驚きではなかったようだ。

「BIG4」の状態分析、後半戦ライバルの一人に錦織「素晴らしい戦い続く」

「自分にとってラファが全仏オープンを勝ったのは、驚きとしては少ないものだよ。なぜなら、彼はすでに9度も制覇しているし……。何より彼が昔のようにクレーコートのシーズンを支配することを願っていたから。もちろん、それを実現したことは驚きだけどね。マレーが少々調子を落とし、ノバクが絶対的なプレーができていないことと関係しているかもしれない」

 世界1位のアンディ・マレー(英国)、4位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を含めた「BIG4」の状態について分析しつつ、今後に向けて警戒した面々の名前を挙げた。

「マレー、ジョコビッチ、ニシコリ、そして、ラオニッチ、ズベレフ、キリオス、スタンといった面々が、シーズン後半戦に向けてベストの状態に持ってくると確信している。シーズン終盤まで素晴らしい戦いが続くだろう」

 世界ランク10位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、20位のニック・キリオス(オーストラリア)、3位のスタン・ワウリンカ(スイス)ら、世界のトップランカーとともに錦織も挙げ、熱戦を予想している。

 フェデラー復帰で、聖地ウィンブルドンには役者が勢ぞろいする。覇権争いはさらに激しさを増しそうだ。