ポイントを守れるのは自分しかいない

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先日、知人から「Tポイントを盗まれた」という連絡が来ました。Tカードを落としたというわけではなく、Tポイントを利用できるヤフオクに不正ログインされ、ヤフオクでゲームのダウンロードに使われたというものです。被害額は約1万円。

知人は、ヤフオクを運営しているヤフーと警察に連絡をしました。ただし、この場合、知人は被害届を出せませんでした。どうしてでしょうか?

ポイントは自分のものではない

ポイントを貯めると嬉しくなりますよね。ただし、私達がもらっているポイントは、実は私達のものではありません。冒頭の知人が被害届を出せない理由は、この「自分のものではない」というのが原因です。

では、誰のものなのでしょうか? 答えはポイントを発行している企業のものです。つまり、ポイント発行企業はポイントを利用者に貸しているだけなのです。

ポイントは企業がルールを決めて運営しています。このルールについては法律もなく、企業が勝手に決めることができます。

例えば、

・明日から100円につき1ポイントだったものを、500円につき1ポイントにします
・明日から1ポイント=1円だったものを10ポイント=1円にします
・明日、ポイント制度を廃止します

ということが可能なのです。ポイントのルールを変更する場合は"改悪"の場合が多く、"改善"されることはほとんどありません。

もちろん企業イメージもありますので「明日から」ということはありませんが、ポイントのルール変更はよくあることです。

現在、ポイントは第三の通貨とも言われていますが、実は脆弱な通貨ということを覚えておきましょう。

ポイントを自分のものにする方法とは?

「自分のものではない」ポイントですが、自分のものにする方法が1つだけあります。それは、ポイントを使うことです。

例えば、1ポイント=1円として利用できるポイントの場合、100ポイントを使うと、100円のものを購入できます。つまり、自分のものでなかったポイントが、100円分の商品に変わり、自分のものとなるわけです。

先程も書いたように、ポイント制度の変更時は、ほとんどが改悪です。ポイントの価値が高い時にポイントを使って、ポイントを自分のものにしておきましょう。

また、ポイントを使うと、冒頭の知人のような被害を最小限にできます。例えば、1万円分のポイントがあれば1万円分の被害にあいますが、3円分のポイントしかなければ、被害も3円ですみます。3円でしたらあきらめもつくでしょう。

不正アクセスでポイントが盗まれるなんて自分には関係がないと思っている方も多いと思いますが、ポイント発行会社に聞くと、ポイント不正利用は日々起こっているとのことです。

レジで「ポイントを使いますか?」と聞かれる前に、自分から「ポイントを使ってください」と言うように心がけましょう。

万が一、不正ログインされたら......

最後に、不正ログインについてです。不正ログインというのは、どこかのサイトや何らかの方法でログイン情報を盗み出され、そのID・パスワードで第三者がログインすることです。

盗まれたID・パスワードはリスト化されて闇サイトで売買されています。全てのサイトで同じID・パスワードを使っていた場合、他のサイトにもログインされてしまいます。

もし、たくさんのポイントを保有している場合はポイントを使われますし、クレジットカード番号を登録している場合は商品を購入されてしまいます。購入される商品は電子的なものが多いため、犯人は日本にいるとは限りません。

海外で高く売れる紙おむつや化粧品など、郵送されるような商品を買う犯人もいるようです。しかし、送付先に空き部屋を指定する、送付先住所を不完全にしてドライバーからの連絡を待つなど、匿名で商品を受け取る方法はたくさんあるようです。

まずは、不正ログインされないように、サイトごとにID・パスワードを変更しましょう。次に、不正ログインされた時に、ポイントが使われない状態、つまりポイントをこまめに使うようにしてください。

ポイントは資産。資産は自分で守りましょう。