フジテレビ「村上信五とスポーツの神様たち」(27日深夜放送分)では、野球解説者・金村義明氏らがゲスト出演。「球史に残したい名場面アワード」としてプロ野球界に残る名場面を紹介した。

元近鉄バファローズの金村氏が挙げたのは、日本プロ野球史に残る最強助っ人外国人選手の一人、ラルフ・ブライアントが放った4打席連続ホームランだった。

1989年、近鉄は熾烈な優勝争いを行っており、そのクライマックスとなった西武ライオンズとのダブルヘッダーが10月12日に行われた。優勝するには絶対に落とすことのできない試合(初戦)は序盤から0ー4と劣勢を強いられるも第1打席でブライアントにソロホームランが。6回表には同点となる満塁ホームラン。8回表には勝ち越しホームランが飛び出した。

また、続く第2試合では3回表にソロホームラン。四球を挟んだもののブライアントの4連発により連勝し、二日後のダイエー戦でチームはリーグ優勝を決めた。

この時を振り返り「限界ギリギリで放った4連発」と表現した金村氏は「2年がかりのドラマで、それも黄金期の西武ライオンズ相手に4連発打ってくれた外国人選手」と紹介。近鉄は前年も優勝争いをしており、ブライアントが中日ドラゴンズから移ってきたことで、優勝には届かなかったがチームに勢いをもたらしていたのだ。

「1本目のホームランは分かります。甘いボールで」と切り出した金村氏は「2本目の満塁ホームランの時は森監督がマウンドに行って”満塁だけど歩かせていい”って」と明かしつつ「詰まって満塁ホームラン、バット折れてるんですよ」などと語った。

だが、その連戦の後、選手間で行われた祝勝会での出来事を明かした金村氏。「立川で行きつけの焼き鳥屋に集合って言って、ブライアント酒飲めないんでコーラなんですよ。僕ら生ビールで乾杯ってやったら彼はグワっと(右肩を抑えてうずくまった)なった」とブライアントが肩を外したエピソードを告白した。

続けて金村氏は「あくる日は皆シークレットで。ブライアントが肩外したなんて言えない。あの試合に集中し過ぎて。神懸かってたから。真っ青ですよ。(ブライアントを宿舎に)連れて帰れって。ただ試合には出るけど振るなと。フォアボールでいいからって」と話した。