今やSSD時代だ!昔の常識は大間違い、新定説SSDの耐久度はHDDと同等かそれ以上

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いまでは低価格WindowsタブレットですらeMMCやSSDを搭載するのが当たり前な時代になってきた。またOSのシステムはeMMCに、データはHDDと分けて利用するメモリードライブ(eMMC、SSD)とHDDのメリットを組み合わせたハイブリッドHDDなども登場している。

そんなメモリードライブ全盛時代の今でも、SSDやeMMCが登場した当時の知識でSSDを語っている人を見かけることがある。

曰く
SSDはHDDより寿命が短い
プチふりでOSが息継ぎする
デフラグはSSDの寿命を縮める自殺行為


というものだ。

つい先日、友人と二人で晩飯を取っている中華料理屋の隣の席に座っていたビジネスマンのうち上司っぽい人が部下に言い聞かせるように言っているのを聞いて、一緒にいる友人と思わず顔を見合わせてしまった。

なぜなら、いまではSSDに関しては、容量当たりの単価がHDDと比べて高いという点以外は、寿命を気にする必要がなくなってきているからだ。

つまり
SSDの寿命は、はるかに長寿命になった(気にしなくていい)
プチふりは、Windows 8/8.1では解消済み(気にしなくていい)
Windows 7以降ではSSDへのデフラグも有効(やっていい)


たとえば、トーチャーテストと呼ばれる拷問クラスのベンチマークを行うことで知られているThe Tech Reportというサイトが行ったテストによると、現在流通しているSSDで、最も寿命の短い製品ですら、書き換えの総容量は約700TBとなるレポートが出されているのだ。

これが何を意味するかというと。
たとえば
PCを1日利用した際に読み書きするデータ量は、約100GBに達するかどうかだろう。

そこで1日に利用するデータ量を約100GBとして計算してみよう。

・10日で1TB
・100日で10TB
・1000日で100TB


700TBであれば、読み書きに7000日かかる計算となる
7000日を1年(365日)に換算すると約19年となる。

PC系のパーツの寿命が約19年ということは、「寿命を気にしなくていい」のと同じだ。
Kingstonテクノロジーの「HyperX 3K SSD」のスペック表にはこう書いてある。

動作温度:-0℃〜70℃
保管温度:-40℃〜85℃
耐振性(動作時):2.17G(ピーク時、7〜800Hz)
耐振性(非動作時):20G(ピーク時、10〜2000Hz)
平均故障時間(MTBF):100万時間


おおざっぱにいうとマイナス40度から摂氏85度まで保管が可能で、0度から70度の温度で動作し、およそ2Gの衝撃がかかっても壊れない。
動いていない場合は20G以上の衝撃にも耐えることができる。
これは普通に人間を超えたスーパーマン並みの耐久性と言えるだろう。

つまり現行のSSDに関しては、
・HDDとの耐久度の差を意識する必要はない
・特別な機器と意識する必要はない
・寿命を心配もせずに使っていい

ということだ。

しかし、市場に登場した当時や5〜6年前のSSDでは、ここまでの信頼性を持っている製品は限られていたため、耐久度的な懸念や用心をされていたのだろう。
ただ、いまだに初期のSSDを使い続けていて心配だと言う人も、現行のSSDに交換することで、信頼性や寿命を一気に高めることができるだろう。

The Tech Report サイトが行ったテスト


小川夏樹(ITライフハック編集長)