美術家で作家の赤瀬川原平さんの姿はその生前、3度ほど目にしたことがある。ただし、いずれもトークイベントの一観客としてだが。そのうち一つは、2000年2月に、美術評論家の山下裕二氏との共著『日本美術応援団』の刊行を記念して開かれたイベントで、私はこのとき、友人とつくっていたミニコミ誌を渡そうと意気込んで出かけた。赤瀬川さんに見てほしかったのは、ミニコミの中身というよりもその表紙だった。というのも、そこに