希望は誰にでもある。何事においても、絶望するよりは、希望を持つほうがいい。先のことなど誰にもわからないのだから。これは、本書『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』の冒頭に引用されたゲーテの言葉だ。で、その隣のページには、カフカのこんな言葉が。ああ、希望はたっぷりあります。無限に多くの希望があります。--ただ、ぼくらのためには、ないんです。……のっけから取りつく島もない。が、この2ページだけで本書の