紀元前5世紀頃に最盛期を迎えた古代ギリシア文明。しかし、その「文明の光」をエーゲ海を越えて東方世界へと広めたのは、先進的なアテナイやスパルタの人々ではなかった。ギリシアの北東、マケドニアの大王アレクサンドロスの征服活動によって、ギリシア文明はオリエント文明と出会うこととなったのである。「地中海世界の歴史」第4巻『辺境の王朝と英雄』(本村凌二著)は、この「ヘレニズム時代」に1巻をあてた異色作だ。大樽の