初めて市販の咳止め薬ブロンに手を出したのは、10代のころだ。つらいことから逃げたい一心で、意識朦朧となるまで使い続けた。徐々に効かなくなるため、どんどん量が増えていく。自らの力でやめられなくなり「死んだほうがマシ」だと思った。薬物依存症の回復支援施設として知られる「群馬ダルク(群馬県高崎市)」の代表・平山晶一さん(54歳)には、このような過去がある。市販薬のOD(オーバードーズ:過剰摂取)を繰り返す若者