寝る時、いつも一緒にいるお気に入りのぬいぐるみが急にしゃべりはじめたら。そんな夢を子どもの頃に描いたことはないだろうか。そして、もししゃべれたら、きっと無二の親友になれるはず。自分のことを一番よく知っている存在だから。映画監督・脚本家の片岡翔さんが執筆した初の小説『さよなら、ムッシュ』(小学館刊)は、幼いころから一緒だった「しゃべる」ぬいぐるみと、病魔におかされた一人の男性の“最後の時間”を描いた