健康には良くないだろうと思いつつ、安さや手軽さで、どうしても食べてしまうカップ麺やインスタント袋麺。今回は、少しでも体へのダメージを少なくする食べ方の工夫を紹介します。

◆製造方法を選ぶ

カップ麺・インスタント袋麺に使われている麺には、昔からあるフライ麺(油揚げ)とノンフライ麺があります。フライ麺は、油で揚げることで水分を飛ばしているので、油によってコクが増す一方で、カロリーも増しています。また、製造から時間が経つことで油も酸化します。酸化した油は、コレステロール値が上がる原因になりやすいので、体のためには避けたいものです。

ノンフライ麺は、熱風乾燥などで水分を飛ばしているので、油が付着することもなく、カロリーも増えません。最近種類が増えてきている、冷凍食品の麺類もおすすめです。どうしてもフライ麺が食べたい人は、できるだけ買い置きしないようにしましょう。製造して時間が経ほど、油の酸化が進んでいきます。

◆お湯を注ぐ前に容器を移し替える

カップ麺の容器の多くは、プラスチックや、プラスチックでコーティングされた紙が使われています。これにお湯を注ぐと、熱と水分によって微量の化学物質が溶け出し、健康に影響を与えると考えられています。

それを少しでも回避する方法として、中身を深めの陶器の器に移してお湯を注ぎ、平皿などで蓋をするという方法があります。製品の容器にはお湯の量を示すラインがありますが、移し替えた時は入れるお湯の目安がわからないため、量の調節には慣れが必要かもしれません。

◆お湯を替える

フライ麺に含まれる酸化した油を少しでも取り除くには、お湯を替えるという方法があります。

カップ麺の場合、調味料や具を入れる前にお湯を注ぎ、1分くらいしたらお湯を捨てます。その後、調味料や具と適量のお湯を入れて出来上がりを待ちます。袋麺の場合、麺をゆでるお湯と、スープを作るお湯を別にします。器に調味料とお湯を入れ、スープを作っておき、そこに茹で上がった麺のお湯を切って入れれば出来上がりです。

◆野菜を加える

加熱済みの冷凍野菜を使えば、意外と簡単&安いです。冷凍野菜のおすすめは、ほうれん草などの葉物野菜や、コーンや刻みネギなどの粒が小さいもの。

カップ麺の場合、お湯を入れる前に入ると、温度が下がり、麺が戻りにくくなってしまうかもしれません。「出来上がった後」でスープに沈めれば、すぐに食べられる状態になります。湯きりタイプの製品の場合、「出来上がり時間の少し前」にお湯に沈め、野菜が温まったところでお湯をきりましょう。袋麺のタイプは、いつでも大丈夫ですが、野菜を長時間加熱しないですむ「スープを入れる直前」がおすすめです。

◆スープを残す

カップ麺には、多くの塩分と添加物が入っています。塩分は、血圧が上がる原因の1つと考えられているので、できるだけ減らしたいところです。WHO(世界保健機関)が推奨する1日のナトリウム量は成人男性で塩分8g以下です。カップ麺には約5〜7gの塩分が含まれています。他の食事も合わせると、1回食べるだけで、その日は塩分摂り過ぎになってしまうのです。

カップ麺に含まれる塩分の半分〜2/3はスープに含まれています。ですから、麺だけを食べるようにすれば、かなりの塩分を減らすことができます。また、添加物も同様に減らせるでしょう。

◆時間帯を選ぶ

最近「時間栄養」という考え方が注目され、時間帯によって体に吸収しやすい栄養素やその使われ方が変化するということがわかってきています。塩分について行われた実験では、同じ塩分量を含む食事でも、夕食の時間帯にとった時が最も多くナトリウムが尿に排泄されたそうです。

ですから、朝や昼より、夜の方が、塩分による体へのダメージを抑えることができそうです。とはいえ、あまりにも夜遅い時間帯になってしまうと、体内時計が狂ったり、肥満の原因になってしまいます。寝る3時間以上前、遅くとも21時くらいまでにしましょう。

簡単にできる方法を紹介しましたが、この中から1つだけでもいいですし、いくつか組み合わせて実行してみるのも良いでしょう。ただ、インスタント麺より、野菜や肉を買ってきて調理した方が、どれだけ体のためになるかは言うまでもありません。自分で調理したものなら、今回紹介したようなことに気を使わなくても美味しく食べることができます。

自分の体を守れるのは自分だけ、その体は食べ物から作られています。普段何気なく口にしている食べ物について、もう少し気にしてみましょう。

(文/NR・サプリメントアドバイザー 小浦ゆきえ)