「ももさんはのんちゃんが辛かったとき、苦しかったときに、いつも一番に気づいて声をかけてくれたね。ももさんの根拠のない『大丈夫や!』の声に何度も何度も助けられてきました。そんな『大丈夫や!』がもう聞けなくなるかと思うと、すごく寂しいです。でも、ももさんがこの先どんな道を選んだとしても、ずっと応援してるからね。5人みんなに過ごしたあの楽しい時間だけはいつまでも忘れないでください」(吉本ほのか)

どれだけリーダー・緒方ももの存在がhanarichuにとって大きかったか。4人の言葉からは、彼女に支えられ、助けられた感謝の気持ちがあふれ出ていた。その思いを表情を崩すことなくしっかりと受け止めた緒方ももさんから、答辞が送られた。

「優依、オーディション当初から気づけばいつも隣にいる、そんな存在でした。持ち前の明るさにはいつも勇気づけられたよ。本当にありがとう。梨々華、純粋で素直な梨々華。本当にたくさんの笑顔をもらいました。これからもたくさんの笑顔の花を咲かせてね。ありがとう。葉月。いつも一緒にいてくれてありがとう。一番付き合いも長く、本当にいろんなことがありました。メンバーを一番思っている、そんな子だなって思います。ほのか。不安もたくさんあったと思う。だけど、いつも前向きなほのかを見て、私だけでなくメンバーみんな、刺激を受けました。次のリーダーはほのかに任せます!ほのからしく頑張ってください。本当にありがとう。そして、いつも応援してくださっているみなさん。みなさんが、ありのままの私を受け入れてくださり、私は私らしくいるという意味が分かった気がします。皆さんが私の背中を押してくれました。」

そして、気持ちを伝える手段はメッセージだけではなかった。「ここで、わたくし緒方ももから皆さんへ、そしてメンバーへ、そしていつもお世話になっているスタッフさん方へ一曲プレゼントがあります」と、自らが作詞した一曲「あの花」を披露した。メンバーにも知らせていなかったというサプライズ。4人それぞれへのメッセージを織り込んだ歌詞に、残る4人は大粒の涙を流した。

会場を揺らす「もも・アンコール」の大声援を受けて、再びステージに登場した5人。アンコールではYouTubeで公開している「あったかいんだからぁ♪」を特別に披露し、会場からは大きな声援が飛んだ。そして、いよいよ迎える最後の曲は、ここまで大切に取っておいたデビュー曲・「咲いた!ハナリッチュ」。「僕の居場所は、みんなで作り上げた、hanarichuなんだ!」(坂元葉月)というメッセージとともに、ファンが大歓声を送ってhanarichu・緒方ももの最後の一曲を飾った。

ショートカットがすっかりトレードマークとして定着した緒方ももさんだが、髪を切ったきっかけはこのhanarichuへのメンバー入りだった。女性が髪を大きく切るという事が、どれだけの決意を表しているだろうか。2013年の夏には、関西からの上京という勇気ある決断もした。ステージに立てないほどの大きな怪我をしたこともあった。目の前で大きなチャンスを逃したこともあった。彼女のアイドル人生は、決して順風満帆ではなかったのではないか。

それでも、彼女は常に笑っていた。その笑顔は、彼女を応援しようとする人を逆に励ますほどの力があった。彼女のイメージフラワーはピンクのカーネーション。その花言葉は「熱愛」「美しい仕草」「感動」、そして「感謝」だ。誰よりもhanarichuを愛し、美しい歌と笑顔の力で多くの人に感動を与えた緒方もも。たくさんの感謝の気持ちを咲かせた大輪の桃色カーネーションが、いま新たな世界へと出荷を果たした。

●セットリスト
M1 はな☆ドキドキ晴れ
M2 ☆恋してYES〜これが私のアイドル道!〜
M3 ときめき色の風とキミ
M4 Don't Stop
M5 カラフルハイタッチ
M6 あの花
M7 さくらいろ
EC1 あったかいんだからぁ♪
EC2 キラキラ☆ホリデー
EC3 咲いた!ハナリッチュ

ライブ撮影:曽我美芽

■関連リンク
hanarichu オフィシャルサイト