Apple Watchより便利?ドコモの子供向け腕時計ケータイ「ドコッチ 01」はスマートウォッチ利用者を拡大するか

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アップルが先日発表した「スマートウォッチ」とも呼ばれる腕時計型端末「Apple Watch」が今、大きな話題になっている。しかしスマートウォッチは画面の狭さや頻繁に充電が必要なこともあってこれまでソニーなどから多数の製品が登場したが全く普及していない。Apple Watchも200万円以上という高級モデルなどで新しいユーザー層を開拓しようとしているが、電池の持ちは1日以下。一般の人には腕時計を毎日充電するのは面倒かもしれない。話題性の高いApple Watchも、実際にどれだけ売れるのか見通しは明るい話題ばかりではない。

だがApple Watchよりも 「腕につけても良い」と思わせる製品がドコモから登場する。それが「ドコッチ 01」だ。ドコッチ01はもしかするとApple Watchよりも便利な製品として子供たちの間に普及が進むかもしれない。


この春最大の話題を集めているアップルのApple Watch。腕時計で様々なことができる


「ドコッチ 01」というちょっとかわいらしい名前のこの製品は子供向けのスマートウォッチだ。大人をターゲットとしたApple Watchとは全く趣を異にする製品である。しかしこのドコッチ01、機能や使い勝手を見てみるとなかなか侮れないのである。
ディアスプレイは1.3インチと小さいが、自分の好きなデザインの時計画面を表示しておける。側面には大きな操作ボタンも備えており、あらかじめ保存されている定型メッセージを使って両親などと簡単なやり取りも可能だ。また緊急時はボタンの長押しで最大6台のスマートフォンやパソコンに即時通報ができる。

そしてドコモの「ドコッチサービス」や「イマドコサービス」を契約することで、子供の安全をいつでも確認することができるのである。共稼ぎで子供が遊び盛り、と言った家庭にもうってつけの製品だろう。

ドコッチ01には子供の運動状態を常に計測する加速度センサーが内蔵されている。
一般のスマートウォッチでは加速度センサーを歩数計や睡眠状態の計測に利用されているが、ドコッチ01は「子供が何をしているか」を確認するために使うことができる。しかもシンプルに
・元気に運動中
・活動中
・安静状態
・非装着

という4つの状態で子供の行動を確認できるのだ。
たとえば、
真夏に元気に運動していれば、水をよく飲むように、といったアドバイスをメッセージで送ることもできるというわけだ。
このほかにも内蔵のGPSを使い、子供が今どこにいるかをリアルタイムで確認も可能だという。


ドコモが発売するドコッチ01。子供が腕にはめることで親との連絡を緊密に取れる。


時計本体はホワイトとライトブルーの2色、ベルトは男の子、女の子それぞれに合う5色が用意される。このあたりのバリエーションは2つのサイズ、多数のベルトを用意するApple Watchの子供版のようでもある。
これは子供たちが自分のお気に入りの色やデザインの腕時計を毎日腕にはめたくなる、という工夫でもあるのだ。防水防塵対応なので遊びに行っても簡単に壊れることも無い。

そして最大のメリットが、電池の持ちだ。通常時で72時間の待ち受けが可能という長時間の電池寿命は毎日のわずらわしい充電作業から解放してくれる。
もっとも実際は2日程度で充電が必要となるだろうが、これならば充電もそれほど苦にはならないだろう。むしろ子供のほうが「家に帰ったらまずドコッチ01を充電する」という習慣を守るかもしれない。

このように小さいお子さんを持つ親にとって、ドコッチ01は安心を与えてくれる大変有用なスマートウォッチなのだ。
機能は最小限ながらも「子供の安全を確認する」という基本機能はしっかりと押さえている。価格も本体は1万円程度が予想されており、手軽に買うことができる。

さて子供たちがスマートウォッチをはめるようになれば、その親も腕時計型の端末をはめて子供と一緒に楽しみたい、と思うようになるかもしれない。毎日の充電も子供に「お母さん、一緒に充電しよう」と言われれば面倒な作業ではなく楽しい作業にもなるだろう。

Apple Watchを買う人も、案外「子供がドコッチ01を使い始めたので自分も腕時計型製品を買おうと思った」なんて人が増えるかもしれない。ドコッチ01の登場は、スマートウォッチ利用者を実は増やす効果もあるかもしれないのだ。


山根康宏