火曜9時ドラマ「ゴーストライター」(フジテレビ系列)いよいよ最終回

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前半は出版業界あるある的にもリアルだったのだが、どんどん泥沼劇が熾烈化して「ありえない!」の暴走展開になって、いよいよ本日夜9時最終回の『ゴーストライター』(フジテレビ系列)。

水川あさみ演じる川原由樹。作家志望で上京、だがうまくいかず。
中谷美紀演じる遠野リサは、文壇の女王。
川原由樹が、天才小説家遠野リサのアシスタントになることからふたりの関係は始まる。

遠野リサは書けなくなっている。
由樹は、自分が書いたプロットを遠野リサに見せる。
アドバイスする遠野リサ。
彼女の才能を伸ばすためにやっていたはずだったのに、ずぶずぶと川原由樹が代わりに書いていくことになる。
ゴーストライターの誕生である。

ここから一挙に遠野リサの転落。
原稿をもらわないと困る遠野リサ。
出し渋る川原由樹。
「このわたしの原稿にいくらだせます?」
「いくら欲しいの?」
「10億」
遠野リサ、陥落。土下座。
「原稿を…ください……お願いします…お願いします」
土下座してるのに、「プライドのかけらもない」とののしられる始末。
原稿の束をばっさーーーと放り投げる名シーン。
ここから、もう物語は暴走である。
出版業界のリアルは放り投げた。
映画制作発表会に川原由樹乱入、本人の横で「わたしは遠野リサさんのゴーストライターです」暴露。

法廷シーンが登場し、「裁判ドラマになるのかー!」と驚愕の展開にワクワクするが、ここはあっさりと遠野リサの勝利。
人格攻撃で、川原由樹は失神。
遠野リサの完全勝利かと思いきや!
認知症の母、家を出る息子、じわじわと色濃くなる罪悪感。生放送で自ら暴露してしまう。

雨の中で、女ふたりのつかみ合いの大げんか。
燃える館の中で呆然として死を待つ遠野リサを描いた「本能寺の変」。
秘書、後ろから川原由樹をナイフで刺す。が、勘違い。川原由樹でなくて遠野リサだった。
と見せ場連発で怒涛の展開。

「元ゴーストライター」というウリで売れっ子作家になった川原由樹は、プレッシャーで書けなくなる。
(一年に4冊書いて、次の作品にも「元ゴーストライター」という煽り文句を帯につけようとする! 酷い!)
一方、「書かなければいけない」という呪縛から解かれた遠野リサは、小説を書き始める。
「書くことが苦しいと思っていたけど、違った。苦しくて仕方がないから、書くのよ」

書けなくなった川原由樹に、自分の新作の原稿のデータを渡す遠野リサ。
立場が大逆転して、本日最終回。
“予測不能のラストへ”突入である。
「遠野リサがゴーストになりました」では予測可能すぎるので、さらなる驚きの展開が待ち受けているだろう。
キーは、メインのふたりではなく、
家出中の息子、大樹(高杉真宙)、
ライバル小説家の向井七恵(山本未來)、
認知症の母、元子(江波杏子)、
そして暴走しはじめた編集者、小田颯人(三浦翔平)か。

『ゴーストライター DVD-BOX』は2015年7月1日発売予定。
(米光一成)