映画『暗殺教室』舞台挨拶に登壇した出演者たち。

写真拡大

「まさきが一発ギャグをやりまーす」

開演早々に宣言したのはHey! Say! JUMPの山田涼介。
その言葉を受け、隣にいた男はステージの中央に踊り出た。

「どーもぉ!! あなたのもとへ まっさき に! すだまっさき(菅田将暉)でぇーす」

「素晴らしい根性でございます」という山田のフォローもむなしく、舞台後方の殺せんせーオブジェに腰掛け、がっくりうなだれる菅田将暉。

その悩める姿にも、集まった女性ファンからは悲鳴にも似た歓声が飛ぶ。

「週刊少年ジャンプ」で連載中のコミカル教育エンターテイメント漫画『暗殺教室』が遂に実写映画化! 3月21日からの全国公開を前に、完成報告会見と舞台挨拶が3月4日、都内で行われた。

登壇したのは、映画初出演にして主演を務めた山田涼介。そして共演の椎名桔平、菅田将暉、山本舞香、知英、高嶋政伸、加藤清史郎、橋本環奈、羽住英一郎監督ら総勢11名(記者会見は山田涼介、椎名桔平、菅田将暉、山本舞香、知英、羽住英一郎監督の6名)。

それぞれが撮影秘話や見どころを語っていくのだが、そこはいつも悩める3年E組らしく、一人一人がなぜか悩みを告白していく会見となった。

◎山田涼介が悩んだこと

「(Hey! Say! JUMPの)LIVE本番直前に別室に呼び出されて、『これやるよ』と映画出演を言い渡されました。『この後、どんな気持ちでLIVEやれと……?』っていうのが最初の気持ちでしたね(笑)」

この映画の出発点を笑いながら語った山田涼介。ただ、撮影中は悩むことばかりだったという。
「正直、僕よりも適した人間がいるんじゃないかなって悩んだ時期もありました。僕の演じた潮田渚っていう役は、原作ではすごく女の子っぽい男の子。(中性的なイメージが)僕には当てはまらないかな? というのもあって、そこをどう出せばいいかをプロデューサーさん、監督さんと一緒に一生懸命考えました」

すると隣にいた椎名桔平がすかさずフォロー。
「いや、可愛かったよ。初めての競演なので山田君のことを知らないから、普段からこういう女性っぽい子なのか判断できないくらい、役に馴染んでいましたね」

◎椎名桔平が悩んだこと。

そんな椎名桔平は、今作で「初挑戦」が多かった、と語る。
「いろいろやってきたつもりだったんですけど、先生役は今回が初めて。最初のシーンで、30人の生徒を前に教壇に立って自己紹介をするシーンがあるんですが、『あぁ、こういう光景って(今まで)ないな』と、新鮮でしたね。ずーっと僕だけがしゃべるシーンなんで、やりながら『これでいいのかなぁ?』と不安だったのは覚えています」

また、羽住監督作品はこれまでにも出演歴があるものの、ここまでCGが多い撮影は初めての経験だったという。

「だから監督に、『どのくらい(殺せんせーは)速いの?』とか確認しながら撮影に臨みました。監督は非常に的確な指示を与えてくれましたね」

◎羽住英一郎監督が悩んだこと

椎名桔平が悩んだように、マッハ20で動く殺せんせー、という特性上、ふんだんにCGが使われている本作。さぞかし実写化は難しかったのでは? という質問が羽住英一郎監督に向けられる。

「でも、うまくいけば実写のほうが漫画よりもバカバカしくなる。やりがいを感じました」

羽住監督としてはCGをどうするかよりも、「暗殺」と「教育」という特殊な組み合わせをどう表現するか、という部分が肝だったという。

「でも、原作を読んで感じたのは、教室で殺せんせーの言ってることって人として正しいことばかり。だから、すごくいい映画になると思いましたね」。

◎菅田将暉が悩んだこと。

10年前から毎週ジャンプを買っている生粋のジャンプっ子です、と挨拶をしたのは赤羽業(アカバネ・カルマ)役の菅田将暉。

「だから、出演を聞いて素直にビビりましたね。僕自身、カルマが好きだったし、みんながカッコイイと思う、神様がちょっと与え過ぎちゃったんじゃないかっていう男なので。でも、そんなカルマはカルマなりのコンプレックスがある。今回、そこを僕が演じることができたのがすごく嬉しかったですし、カルマのウィットに富んだ返しもやりたいとか、欲が出てきました」

ただ、以前から親交のある原作者の松井優征から「カルマ、人気投票で1位になったよ」と撮影中もプレッシャーをかけられたのが悩ましかったとか。

◎知英が悩んだこと。

元KARAのメンバーで、去年から日本を中心に女優活動をスタートさせた知英。彼女が演じたのは、ハニートラップをしかける女教師イリーナ・イェラビッチ。通称ビッチ先生だ。

「私が演じたビッチ先生はセクシーな役。本当の自分はセクシーとはほど遠いのですごく心配でした。漫画を読んで、声とか足の組み方まで、どうすればセクシーに見えるのか一生懸命研究しました」

これには菅田将暉が「いや、たまんなかったです。な?」と返し、
山田涼介は「め、目のやり、やり場に困ったくらいで」とカミカミ。

◎山本舞香が悩んだこと。

「撮影中は女子メンバーでいろんな話をしたんですけど、女子は女子なりの悩みがあって……痩せたいっ!」
と語ったのは、茅野カエデ役の山本舞香。
「それ、撮影関係あらへん!」と、すかさず菅田が突っ込む。

「いやいや、ずーっと撮影して、ホテル帰って、御飯食べての繰り返しで。動く時間がなかったので最後の方は本当にぽっちゃりしてきたので、撮影終わりにみんなで走ったりしてましたね。目指せ、ミランダ・カー!」

質疑応答では、「暗殺報酬の100億円がもし本当にもらえるとしたら何をしたい?」と聞かれて、本気で悩む出演者たち。

山本舞香が「旅行?」と答えると、またもや菅田将暉が「普通だな!」と突っ込む。
そんな中、椎名桔平が「そのお金の一部でも羽住監督に渡してさ、続編を作りたいよね」と答えると、全員一致で賛同する。

興味深かったのは、羽住監督も会見中、何度も「続編があれば……」と漏らしていたこと。果たして、次につながるストーリーになっているのか?

答え合わせは3月21日から全国ロードショーとなる映画『暗殺教室』で。
(オグマナオト)