――サードアルバムは、サウンドではポップな曲もあればバラードもあり、歌詞も光と影の明るいだけでなく闇を感じさせる部分もあり、その振り幅が過去作より更に広がった印象を受けました。

すぅ:技術面でも出来ることが増えてきて、曲調もサイサイらしさを軸に、また新しいことに色々と挑戦して。表と裏、陰と陽、SilentとSirenを表現するというのは、結成当時から変わってなくて。ポップもロックも好きだし、二面性を表してこそSilent Sirentということでずっと曲を作ってきたんですけど、3枚目のアルバムはそれがもっと深い所まで表現できてるなと思いますね。

ひなんちゅ:元々ロックが好きでバンドをやりたいと思ってたメンバーなんですけど、カワイイのもポップな音楽も好きなので、その両方をやりたいという気持ちも込めてのSilent Sirenなので。武道館を終えて、新たな第二章が始まるスタートとしてのアルバムには、バンド名の『サイレントサイレン』というのが一番しっくりきて。自分達の色んな面が出せたらいいなと思いました。

――それぞれのパートで、レコーディングの際に意識したのはどんなことですか?

ひなんちゅ:結構ゴチャゴチャしてた曲とかもあったんですけど、難しいギミックとかを使えばいいというものじゃないなと思って、一回録って、「ここ、要らなくない?」みたいに削ったりしましたね。ベースとドラムは一緒に録ることが多いんですけど、大体ドラムが先に終わって。ベースのアレンジにすごく時間を掛けたので、前作、前々作に比べてベースがすごくカッコ良くなったと思います。個人がスキルアップしたと同時に、ソロとかベースやキーボードが目立つ曲も多くなったので、ライブの演出も変わると思いますね。

あいにゃん:やっていく内に「こうしたい、ああしたい」というベースラインが出て来て。すぅの歌詞に合わせて、最後の大サビで詞の世界観が変わる所だったら、ベースもそれに合わせて歌うような感じで、ちょっとフレーズが動いたり。ベースだけじゃなく、みんなそうですけど、最初に比べたら表現の仕方は全然変わってきましたね。『Routine』では激しめのキーボードのソロがあったり、みんなでそういうチャレンジをしたので、聴き所が沢山ある、4人の音を楽しんでもらいたいなと思えるアルバムになりましたね。

ゆかるん:今までの中で一番挑戦したアルバムというか、今までポップな曲はピコピコ弾いてキラキラ感をプラスする感じか、バラードではガッツリとピアノを弾くという、どちらかが多かったんですけど、今回はオルガンでガッツリ弾いてたり、カッコイイ系のキーボードソロにも挑戦していて。フレーズ一つにしても全然曲が変わるし、キーボードとしての新しい一面を詰め込めたかなと思いますね。サイサイは「一旦、やってみよう!」というスタンスなので、ギターのフレーズもイントロを何パターンも録って聴き比べて決めたり、みんなで話し合いながら、何回も繰り返してやりながら出来上がったアルバムですね。

すぅ:ポップな曲はポップに歌うようにしてたり、なるべく曲が良く聴こえるように、自分のキーよりちょっと上げて歌ったり。声にエフェクトを掛けて、ボコーダを使ってる曲もあったり、ユニゾン、オクターブ下でコーラスを歌ってくれてる曲もあったり、歌の面でも新しいことに挑戦してますね。すごく詰め込んで歌ってブレスが大変な曲があったり、2番でメロが変わったり、そういう遊びも結構してみて。今まではA、B、間奏、2A、B、Dみたいにカッチリ作ってたんですけど、今回は2Aでちょっとメロを変えてみようとか、2A無くしてみようとか、曲としてもすごく新しいことが出来たなと思いますね。