大事なパットを決めてガッツポーズ!(撮影:米山聡明)

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<ミズノクラシック 最終日◇9日◇近鉄賢島カンツリークラブ(6,506ヤード・パー72)>
 三重県にある近鉄賢島カンツリークラブを舞台に開催された全米女子プロゴルフ協会公式戦「ミズノクラシック」最終日。5ホールに渡る雨中のプレーオフを制したのは韓国の李美香だった。

 首位と1打差の4位タイからスタートした李は18ホールで終始安定したプレーを見せた。前半から3バーディを奪ってノーボギーと順調にスコアを伸ばす。後半、この日初となるボギーを10番で叩くが、14番でバーディを奪ってイーブンとするとその後はパーを並べ、最後までショットは乱れることなくホールアウト。同じくトータル11アンダーの香妻琴乃、イ・イルヒー(韓国)と三つ巴のプレーオフとなった。
 そのプレーオフ1ホール目、2ホール目は全員パーで勝負はつかず、迎えた3ホール目。7メートルの距離につけたが、それよりも遠い位置から先に打った香妻、イがロングパットを沈めバーディとしてプレッシャーをかける。これを外せば負けとなる正念場。しかし、李は落ち着いていた。
 その理由は李のボールが香妻のボールの手前にあったこと。「最初ボールの位置を見たときは自信がなかった。だけど、香妻さんが入れるのを見て、同じラインだし自信を持って打てた」と強気にパット。カップインすると、それまでなかなか見せなかったガッツポーズで喜びを爆発させ、次のホールに望みをつないだ。
 4ホール目は全員パーで5ホール目へ。3人ともティショットをフェアウェイに置いて迎えたセカンドショット。香妻が左ラフにこぼし、イはピンのかなり手前。そして李の190ヤードから放った打球はエッジでバウンドするとピンに向かって転がり、1メートルにピタリ。そして香妻、イがパーパットをいれ、迎えたウイニングパットをしっかり沈め、激闘にピリオドを打った。
 雨が降りしきる中、5ホールに渡るプレーオフを制した李が栄冠を手にした瞬間、最初に思ったことは「これでやっと帰れる(笑)」。もちろん米国ツアー初優勝の嬉しさは多分にあったが、それ以上に終われた喜びが一番に頭に浮かんだと言う。そのくらい過酷な戦いだったのだろう。
 自分の一番のストロングポイントは「自信を持ってプレーできること」と語る李。今年の2月に欧州女子ツアーである「ニュージーランドオープン」を制した経験が彼女に信じる力を与えているという。その優勝経験が今日のプレーオフで大いに発揮された。新たに米国ツアーを制して自信をつけた李の更なる活躍が期待される。
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