世界最大のスマートフォン市場の中国でサムスンのシェアが減少していることについて、中国メディアの北京商報は29日、「サムスンは中国で既存の機種の値下げを行うことを検討している」などと伝えた。(イメージ写真提供:(C)Mingman Srilakorn/123RF.COM)

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 世界最大のスマートフォン市場の中国でサムスンのシェアが減少していることについて、中国メディアの北京商報は29日、「スマートフォン市場のシェア減少を食い止めるため、サムスンは中国で既存の機種を最大20%値下げを行うことを検討している」などと伝えた。

 記事は、事情を知る関係者の話として、「サムスンは中国で戦略チームを立ち上げ、マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストンコンサルティンググループなど世界大手のコンサルティングファームの分析を仰いでいる」と紹介。

 さらに、「サムスン側からの正式な回答は得られなかった」とする一方で、サムスンは中国で現在発売されているスマートフォンについて、最大20%の値下げを行うことを検討していると伝えたほか、中国をはじめとする新興国において「GALAXY」ではなく、低価格モデルの新しいシリーズを打ち出す可能性があると報じた。

 中国のスマートフォン市場におけるサムスンのシェアについて、記事は市場調査会社「GFK」のデータを引用したうえで、「サムスンの2014年8月におけるシェアは16%で中国市場で最大となったが、昨年同月比で20%以上も減少している」と伝え、サムスンが値下げを検討しているとされることについて「中国のスマートフォンメーカーをはじめとする競合による圧力であることは明らか」と指摘した。

 さらにハイエンド市場においても、米アップルが大型ディスプレイモデル「iPhone 6 Plus」を投入したことで「サムスンのスマートフォンにおける“大型ディスプレイ”における優位性が失われた」と論じた。

 さらに外部環境だけでなく、サムスンは「自社のイノベーション不足」という問題も抱えているとし、「消費者の期待にフラッグシップモデルのアップグレードが追いついておらず、消費者にとっては新鮮さがない」と指摘、消費者にとってはサムスンのスマートフォンを購入する意欲が湧かない状態にあると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Mingman Srilakorn/123RF.COM)