準優勝の内田暁子。パートナーの草野に引っ張られながら、サーブ、スパイクの強さ、ミスの少なさなどビーチでも通用する能力の高さを示した。

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 ビーチバレーボール川崎市長杯は10〜12日の日程で行われ、男子は長谷川徳海(フリー)・庄司憲右(湘南ベルマーレ)組、女子は幅口絵里香・村上めぐみ組(オーイング)組が優勝した。

 例年、ツアー最終戦に位置付けされていた川崎市長杯だが、国内ツアー改革に伴い大会はトップツアーから外れグレードII指定に。さらにワールドツアー中国・厦門オープンの日程と重なったため、有力チームの出場も少なかった。

 その中で注目された選手は、女子の内田暁子(フリー)。草野歩(ミキハウス)と組みビーチに初参戦した。内田は、バレーボールV・プレミアリーグのNECレッドロケッツに7年在籍。今年6月に引退したが、主将としてチームをけん引したほどのプレーヤーである。友人でもある日本代表の草野に引っ張られながら、予選を無敗で勝ち抜き決勝まで進出。決勝戦では幅口・村上組にストレートで敗れたが、デビュー戦を準優勝で飾った。

 パートナーの草野は「(内田は)ミスが少ないから、自分がボールを拾えればゲームはできると思っていた。決勝は私がもう少しできれば良かった」言う。内田はほとんど「基礎の基礎」程度の練習しかできなかったということだが、常に正確性の高いサーブを打ち、レシーブの読みなどバレーボールの基本的スキルの高さを見せた。

 内田は「バレーを辞めて、体がなまってしまったので動かそうと出てみた(笑)。プレーができるようになってくるとすごく楽しかった。ビーチは奥深くて相手をもっとはめられるとよかった」と話した。

 対戦した幅口も「私たちが勝って当たり前だが、(内田は)技術もあるししっかりと打つことができる」と語った。内田は当初はかなり軽い気持ちで出場を決めたが、そのうち「長くインドアをやっていた意地が出た」と言う。気になる今後については「やってもいいかなと思うけど未定です」と笑った。

(取材・文=小崎仁久)

主な結果は次の通り。
□女子準決勝
宮川・鈴木0(18-21/17-21)2草野・内田
幅口・村上2(21-15/21-17)0浦田・コバデール

□女子決勝
幅口・村上2(21-15/21-14)0草野・内田

□男子準決勝
吉田・道木0(19-21/20-22)2松本・仲矢
長谷川・庄司2(21-15/21-15)0西村・土屋

□男子決勝
長谷川・庄司2(21-13/21-16)0松本・仲矢

内田暁子は、ビーチ初参戦

軽い気持ちで出場を決めたが、なんと準優勝


▼ 優勝した幅口絵里香(右)と村上めぐみ(左)

日本代表として出場した韓国・仁川でのアジア大会では準々決勝止まり。村上がサービスランク1位に輝きながら、自分たちのプレーが出来ず悔しい思いをした


▼ 優勝の幅口絵里香(左)と村上めぐみ(右)

次の海外戦は11月にタイ・プーケットで行われるアジアビーチゲームス。「もう一度アジアの強豪と戦うチャンスがあるので、意識を整理して試合に臨みたい」と話す


▼ 3位となった鈴木千代



▼ 鈴木千代



▼ 優勝した長谷川徳海

アジア大会は力を出し切れずベスト8で終わった。「アジア大会は、プレーの形を考えすぎた」と話した


▼ 男子優勝の庄司憲右

確実に成長を重ねての初優勝となった。パートナーを組んだ長谷川も「優勝は庄司ががんばったおかげ」と褒め称えた