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●リニューアルされた「ルンバ」のエントリーモデルが登場iRobot(アイロボット)の日本総代理店セールス・オンデマンドが9月に発売した新商品「ルンバ622」「ルンバ621」。同社が普及機として位置づける「600シリーズ」の新たなラインナップとして加わったもので、従来の「ルンバ620」がなくなり、そのデザインを継承しながら、付属品の構成を変えた2機種を展開する。

また、バッテリーにルンバの最上位シリーズ「ルンバ800シリーズ」に搭載されている「XLife(エックスライフ)バッテリー」を採用しながらも、直販価格をそれぞれ49,000円、46,000円と旧機種の620からほぼ据え置き、よりリーズナブル価格で提供している点も特徴だ(価格は税別)。今回は、その新ルンバを試用してみた。

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今回、新商品2機種の登場により、600シリーズのラインナップは、「ルンバ630」と合わせて3商品となる。ルンバ630と620番台の2商品では、本体カラーとバッテリーが異なるほか、赤外線で仮想的に空間を区切る「バーチャルウォール」と呼ばれる付属品の点数がそれぞれ2個か1個かという点が異なる。ゆえに、バーチャルウォールが2つ必要な場合は、必然的に630という選択となる。ちなみに、630の直販価格は52,191円となっており、別売のバーチャルウォールが6,500円のため、バーチャルウォールが2つ必要な場合は、620シリーズに追加して購入するよりもお得度が高くなる。

一方、バーチャルウォールが1点しか必要のない場合、ルンバ622と621の違いは、リモコンと交換用のフィルター、エッジクリーニングブラシの有無だ。本体の性能や付属品は共通しているため、2機種の3,000円の価格差はこれらの付属品の違いということになるが、別売だとリモコン3,500円、交換用フィルターが3つで3,000円、エッジクリーニングブラシが2,000円となっているため、コストパフォーマンスとしては622のほうが高い商品と言えるだろう。

そんなお得感のある普及機シリーズのラインナップとして今回登場した2製品だが、本体の基本性能は620、630と同じだ。「iAdapt」と呼ばれる独自の技術で、部屋の形状、広さ、床の汚れ具合などセンサーで収集した情報を人工知能が毎秒60回以上もの状況判断を繰り返し、40以上もの行動パターンから最も適した動作を選択・実行し、部屋を隅々まで走行して掃除する。

●最上位モデルで搭載された「Xlifeバッテリー」を新たに採用また、吸引については「3段階クリーニングシステム」と呼ばれる独自の技術で、エッジクリーニングブラシで書き出したゴミを、メインブラシとフレキシブルブラシの2つのブラシで掻き込み、取り切れなかったゴミは密着ワイパー型吸引口で強力に吸い込むという仕組みだ。

一方、今回新たに搭載されたXLifeバッテリーだが、充電式ニッケル水素電池で約3時間の充電で最大90分〜120分稼動する点は従来と変わらないスペック。ただし、バッテリー寿命が従来の約2倍となる約3年に延長されており、より長期間の使用に耐えることが可能になっているのが特長だ。ルンバの最上位シリーズ「ルンバ800シリーズ」で初めて搭載されたバッテリーが、早くもエントリーモデルにも採用されたかたちだ。

現在、ルンバの後を追うように、国内外の大手メーカーからもさまざまな製品が発売されているロボット掃除機。消費者にとって選択肢が増えたことは喜ばしい状況である反面、製品選びに悩むこともより多くなるかもしれない。そんな中でも日本で他社に先駆けて発売されて多くのユーザーを獲得し、一定の普及率を誇るルンバだが、その確かな実力は既に実証済みとも言えるだろう。

そういう意味では、特にロボット掃除機を初めて購入する人にとってはルンバは最も安心できる間違いのない選択肢だ。さらに今回、価格はほぼ据え置いたまま、エントリーモデルながらスペックを上げて新たなラインナップとして投入された本製品は、日本の一般家庭におけるロボット掃除機の普及をさらに推し進めてくれそうな一台だ。

(神野恵美)