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●iPhone 6 Plusを選んだ理由iPhone 6の販売が始まって一週間が経過した。初日はアップル直営店でのSIMフリー端末の販売を巡って、相当な混乱もあったが、キャリア別端末については比較的潤沢な供給状態にあるらしく、容量や色を選ばなければ、店頭在庫で即座に購入できるところが多いようだ。

筆者も販売初日にiPhone 5sから6 Plusへと機種変更を果たしたので、この一週間で感じたiPhone 6 Plusの魅力についてのレビューをお届けする。

筆者は元々、5インチ級のファブレット端末には否定的だった。長財布かコンニャクくらいもあるものを顔に押し当てて通話する姿は許容できなかったのだ。

それでもPlusを選んだ理由は、Plusが「全部入り」のiPhoneだったから。ライター稼業ではできるだけ色々な機能を使えるようにしておくと、何かと便利なのだ。Plusと無印の6の主な違いは、解像度を除けば光学手ぶれ補正の有無とランドスケープモード程度だが、iPhoneで写真を撮る機会が多い筆者にとって、光学手ぶれ補正は外したくない機能だということもある。もう一つ付け加えるなら、6の「1344×750」という珍妙な解像度にも拒否感があった。サイズが大きいのはなんとか工夫と我慢で乗り切れると考えたのだ。

○大きいことはいいことでした

予約していたPlusを確認のために箱から出してもらったときの正直な感想は「うわ、やっちまった」というくらい、大きさのインパクトは大きかったが、手に持ってみると案外大きさが気にならない。もちろん絶対的に大きいのだが、エッジのカーブが絶妙な手触りで、大きさを感じさせない心地よさがあるのだ。とにかく端末の質感の高さは特筆もので、まるで上質な工芸品のような仕上がりには驚嘆するばかり。これが数千万台売られるマスプロダクトだとは信じがたい。

一週間使い続けてみると、大きさはあまり気にならなくなってきた。もちろん物理的なサイズがもたらす制約はあるが、持ち歩く際はギリギリでポケットに入ってくれる。そして大型液晶がもたらす視認性の高さや情報量の多さのメリットのほうが、デメリットより大きいと感じられるのだ。多くのユーザーが諦めている片手入力も、筆者は元々手が大きめな上に変則的な持ち方だったこともあり、割とすんなり可能だった。

友人が購入した6も触らせてもらったが、Plusに慣れてしまうと画面が狭く感じてしまう。これ以上大きくなるとさすがに手に負えないが、ギリギリ運用可能な大きさが5.5インチというサイズだったのだろう。画面を約半分下にスライドさせる「Reachability」機能も併用すれば、ほとんど気にならない。どうせ両手を使うなら、横持ちにしてソフトウェアQWERTYキーボードでローマ字入力すればいいと思う。

●もう手ぶれ補正なしの撮影は考えられない○光学手ぶれ補正は強力!

iPhone 6と6 Plusの違いは、画面サイズのほかは、カメラの光学手ぶれ補正の有無程度だ。筆者は取材でもiPhoneでの撮影で済ませてしまうことが多く、ミスショットを減らせる手ぶれ補正は非常に魅力的だった。果たして実機ではどの程度の差が出るのか、手持ちの夜景撮影で試してみた。

写真をご覧いただくとおり、写真の絵作り自体は5sから6 Plusまで、大きな差はない。しかし、5sと6がISO感度を思い切り上げて増感しているのに対し、6 Plusではそこまで高感度ではないのに、ほとんどブレのない写真が撮れた。

正直なところ、昼間の撮影ではそこまで差があるわけではないのだが、筆者としてはもう手ぶれ補正なしの撮影は考えられない。サイズ的な問題があったのかもしれないが、アップルは頑張って6に手ぶれ補正機能を搭載するべきだっただろう。

○お勧めは断然Plus!

購入前は使う上での苦労も覚悟していたPlusだが、思ったほど苦労することもなく、すんなり日常生活に馴染んでくれている。考えてみれば、昔はもっと分厚くて幅もある「GFORT」などのPDAを使っていたのだから、この程度の大きさで文句を言うのは甘えというものだろう。

iPhone 6も常識的なサイズにほぼ全ての機能が詰まったいい端末だが、半端に機能差があるのは納得がいかない。iPhoneはハイエンドな端末なのだから、ユーザーの多くが高機能志向であることはアップルもわかっていたはず。昨年も5sと5cで性能差を付けた結果、5cのセールスで苦戦したのだから、少しはデメリットに気付いてほしい。 とにかく、iPhone 6での新機能を全部利用できるのはPlusだけなのだから、お勧めはPlus一択だ。もし将来新機種に乗り換えるにしても、大画面を生かして動画ビューアーやゲーム専用機に流用できる。6に手ぶれ補正が搭載されれば、この限りではないのだが……。

(海老原昭)