A.B.C-Z全員で資金0円でワーホリの旅に出た。過酷な状況でも、明るく元気に過ごしていたのが印象的。仕事がない時には得意のアクロバットで資金を稼いだことも。

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「俺の名は堂神哲。とりたてて勉強ができるわけでもなく、スポーツが得意なわけでもない。暑苦しくもなければクールにもなりきれない。モテないようでいてモテる、平凡といえば平凡。俺は今日、17歳の誕生日を迎えた。そんな俺の望みとは……」
「やりてぇー」

ドラマ『魔法男子★チェリーズ』(テレビ東京/土曜深夜)スタートした。主演はジャニーズのアイドルグループA.B.C-Zの5人。ジャニーズのアイドルが「やりてぇ」だなんて、ちょっと衝撃的なセリフでの幕開け。このドラマの見どころを探ってみた。

■ドラマの前にA.B.C-Zのご紹介を
今回主演を務めるA.B.C-Zは、橋本良亮、戸塚祥太、河合郁人、五関晃一、塚田僚一からなる5人構成のグループで、2012年デビューを果たす。ジャニーズでもトップクラスの身体能力を誇り、アクロバットを取り入れたステージを得意とする。歌とダンスに加えて、バク転などの空中を利用した高さとスピードが、躍動感のあるステージを生み出している。

通常、ジャニーズではCDリリースをもってデビューとするところだが、このグループはDVDデビューというちょっと珍しい経歴を持つ。それほど、アクロバットに力を入れている証とも言える。最近では、ジャニーズの50年の軌跡をたどった舞台『ジャニーズ伝説』がヒットし、二年連続公演を果たしている。ちなみにグループ名は、「エービーシーゼット」ではなく「エービーシーズィー」と読み、ファンからは「えび」の愛称で親しまれています。

■17歳の誕生日に魔法使いに?一話目のあらすじ
さて、今回のドラマ『魔法男子★チェリーズ』は、A.B.C-Zのメンバー全員が出演し、しかも全員が童貞役という設定。

橋本良亮扮する堂神哲は、小さい頃から高校までずっと一緒の幼なじみ、架純(清水富美加)に片思い中の童貞。昨年、兄が失踪し現在も手がかりがない。モヤモヤが残るまま17歳の誕生日を迎えたが、この日を境に覚醒する。触れた相手の心の声が読み取れる魔法使いになっていたのだ。

そんな中、近所では長い髪を切られる通り魔事件が多発。幼なじみの架純も事件に遭遇してしまう。悲鳴を聞いた哲は助けに走るが『怖い、哲ちゃん』と架純の心の声が読めてしまい、「俺が守らなければ」と犯人探しに奔走する。

犯人を追ってたどり着いた先は、ギャラリーが取り囲む倉庫。MCらしきレインボーカラーのアフロが「このDTフィールドは童貞魔法の妄想空間!」と叫ぶと、ギャラリーが一斉に騒ぎだした。そこへ哲の味方として現れたのがヒーロースーツに身を包んだA.B.C-Zの4人のメンバー。ケンカをするのかと思いきや、ダンスバトルで決着がつけられた。

「他の人間には見えないけれど、俺たちは今DTフィールドの中で戦っていたんだ」ホス(塚田僚一)が説明した。失踪した兄の親友ベンさん(戸塚祥太)が哲に対して、通り魔の犯人も、助っ人として現れた4人も現代の魔法使いだということ、そして哲も魔法がつかえるようになったことを告げた。信頼できる兄の親友とはいえ、急すぎる展開に理解できずにいる哲。「何をどこから信じていいかわからなくて……。」魔法使いとして覚醒したところで終わった一話目。

■実は昔から……ジャニーズと童貞役
ジャニーズなのに童貞役……。現実にはそうであってほしくないような、そうでもないような。いやこれはドラマなのだ。と、物語と現実の境目を見失って少々混乱するが、過去にもジャニーズ事務所の先輩たちは童貞役を演じている。

『木更津キャッツアイ』では嵐の櫻井翔が、奥手な性格が災いして童貞を捨てられない「バンビ」役を演じていた。野球チームのユニフォームも童貞だからという理由で0番だった。『Stand Up!!』では嵐の二宮和也と山下智久が、関ジャニ∞の丸山隆平は『ボーイズ・オン・ザ・ラン』で素人童貞役を。最近でいえば映画『土竜の唄』で生田斗真が扮したのも、「警察官なのにバカ、ドスケベなのに童貞」という役どころ。反対に『池袋ウエストゲートパーク』では、TOKIOの長瀬智也が初体験のトラウマから不能気味という役を演じるなど、先輩たちも性的な悩みを抱えた役を経験している。

しかしこれまではエッセンスとして加えられてきた程度だったけれど、今回はA.B.C-Zメンバー全員が童貞という設定だけに、ドラマ同様、何らかの覚醒の前触れでは?と予感してしまう。

次回予告では「俺、童貞捨てたいよ」「正義のためにHしないとかありえないでしょ」と哲のセリフがこだましていた。どうやらこの物語は正義のために童貞を貫けるか、欲望との葛藤をベースに描かれていくようだ。一話目の放送では、まだ登場人物のキャラクターが明らかになっていないだけに、今後のストーリー展開が楽しみ。ダンスバトルで見られるA.B.C-Zのダンス、そして今後アイドルとしての覚醒も期待しながら見守っていきたい。
(柚月裕実)