朝鮮中央通信は21日、元北朝鮮脱出住民(脱北者)の女性2人が平壌で座談会を開き、「韓国に無理やり連れて行かれた」などと韓国を非難したと報じた。近年北朝鮮から脱出して韓国入りした後、再び北朝鮮に戻るケースが相次いでおり、2013年は今回を含め5組が北朝鮮に帰還した。複数の韓国メディアが報じた。

  元脱北者韓国に渡った経緯について、中国黒竜江省で暮らす姉を訪ねたところ人身売買組織に捕まり、2011年12月に無理やり韓国に連れて行かれたと説明。韓国での生活は「到着した瞬間から人間以下の扱いを受けた」とし、韓国社会は「人間の情がまったくない冷酷な社会だ」と批判した。

  別の元脱北者は、韓国政府について「わが住民を1人でも多く南朝鮮(韓国)に連れていくため、人類道徳や他国の主権、国際法まで違反するかいらい廃党」と非難した。

  韓国統一省は、元脱北女性について「名前、年齢、出国記録などを照合し(北への帰還は)事実と判断した」と説明。ただし北朝鮮に入った経緯や動機については不明だとした。

  韓国メディアは、北朝鮮が元脱北者の会見を相次ぎ公開していることについて、韓国への敵対心をあおぎ、体制の求心力強化に利用していると伝えた。(編集担当:新川悠)