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6月22日のフューチャーズ戦以来、週末の休日ごとに登板を繰り返しているファイターズの斎藤佑樹が今日(15日)のファイターズスタジアムでのジャイアンツ戦に先発。一回表にいきなり橋本到にソロ本塁打を浴びるなど二死から2点を奪われ、立ち直りかけたかなと思われた四回表に一死二塁から大累進を遊邪飛に打ち取って二死二塁になったところで交代。75球だった。

代わった二番手の根本朋久が井野卓に右中間タイムリー二塁打を打たれて斎藤の残した走者が生還したため、斎藤は3回2/3を投げて自責点3という結果になった。


イースタン公式戦では今季初先発。今季初めて4イニング目に突入し、投球数も最多の75球。一軍復帰に向けて一歩一歩進んでいると信じたいが、果たして今どのくらいの段階なのだろうか?


(写真:四回表二死二塁という場面で交代を告げられた斎藤佑樹。)



右肩痛に悩まされている斎藤佑樹は、6月22日の対フューチャーズ戦に先発して2イニング、23球を投げて無失点に抑えて以来、週末の試合に短いイニングの登板を続けてきた。幸いにもその前の週末から、ファイターズはこの三連休まで五週続けて週末に鎌ヶ谷での試合が組まれている。

フューチャーズはイースタン・リーグの球団数が7球団と奇数であることから、各球団の育成選手や、支配下選手でもなかなか出場機会に恵まれない選手を集めた混成チームであり、イースタン・リーグで対戦する単独チームよりは質が落ちると見られる。宇賀なつみアナや秋元玲奈アナといった女性スポーツアナが鎌ヶ谷を訪れるほど注目を浴びたが、故障明けの試運転としては無難な相手を選んだといった感じだ。

翌週末の30日のマリーンズ戦で初めてイースタン・リーグ公式戦に登板。先発の上沢直之の後の二番手として登板したが2イニングで4失点。金澤岳にスリーラン本塁打を浴びた。

その次は7月7日のタイガースとの交流戦に、先発のボビー・ケッペルの後を受けて登板。一軍同様、ファームの交流戦も公式戦だ。斎藤は3イニングで21球投げて1失点。失点は狩野憲輔のソロ本塁打だった。

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そして今日、ジャイアンツを相手にイースタン・リーグ公式戦では今季初先発。

過去二試合、いずれも本塁打による失点を喫しているが、今日も一回表、二死から三番の橋本到に流し打たれた打球は風にも乗ってレフトスタンドに弾んだ。打球がよく見える三塁側のファイターズファンからは「追い風参考記録」との声も飛んだが、本塁打であることに変わりはない。

それでもここで止めておけばよかったのだが続く四番の大田泰示にストレートの四球。目下13試合連続安打の大田に圧倒されたか、いただけない四球。そして続く脇谷亮太にセンターの頭上を超えるタイムリー二塁打で追加点を献上。
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この打球もセンターの谷口雄也が一瞬前進しようとしてそれから下がって頭の上を越されるという、目測を誤った感じではあったがフェンス際まで飛ばされていたことは確か。不安な立ち上がりだった。この後も小笠原道大の初球に死球でさらに二死一、二塁とピンチを拡げるが坂口真規を三振に仕留めて2点で止めた。

二回表は三人ともゴロで仕留めて三者凡退に退けたが、三回表には先頭の荻野貴幸がライト前に弾くと、橋本の打席で二盗成功。橋本と大田は倒れるが、脇谷の打席で斎藤が暴投。二死三塁となるも、脇谷を一ゴロに打ち取った。
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打者を打ち取るにしても球数を要するなど、少なくとも素人目には“復活に近づいている”かというと疑問符…。

そして四回表、先頭の小笠原にはファウルで粘られるも、8球目で空振り三振に仕留めた。
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さあ調子が上がってきたかと思ったら坂口にあっさり四球。そして今度は坂口に二盗を決められ、一死二塁。大累進を遊邪飛に打ち取って二死二塁となったところで、ベンチから加藤武治投手コーチが出てきた。

「えっ!?」

一瞬アクシデントかと思ったが、マウンドに集まった内野陣は普通な表情。しかし加藤コーチは大和貴弘球審からボールをもらっている。交代だ。(冒頭の写真)

スコアボードの表示によると、斎藤はここまで75球。今季最多だ。しかし、イニングの途中、球数目安だとしても80球の手前、何とも不可解な途中降板だった。3回2/3、打者17人、被安打3(内、被本塁打1)、奪三振3、与死球1、与四球1。二番手の根本朋久が井野卓に右中間タイムリー二塁打を打たれて坂口が生還したため自責点(、失点共に)3だった。

大きく外れるボール球が多く、与四死球3より多い印象。あくまで素人目線であるが、まだまだ一軍復帰への道は険しい、というか、まだその前の段階なのだろう。

しかし、イースタン登板の状況が必ずしも復調への物差しになるとは限らない。

昨日(14日)一軍に復帰して先発、五回二死までパーフェクトに抑える好投で639日ぶりの勝利を挙げたボビー・ケッペルのファームでの登板はそれこそ斎藤より派手な炎上ぶり。
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直近の今月7日のタイガース戦(斎藤が二番手で登板)こそ先発して2イニングを無失点で終わらせたが、2イニングで35球を費やすハラハラさせる内容だったそうだ。

その前の6月29日のマリーンズ戦では先発して4イニング、4自責点。さらにその前の6月15日のスワローズ戦の先発では3イニング6失点と投げる度に試合を壊していた。

昨日の一軍先発は大谷翔平のアクシデントで急遽代役を立てなければならず、消去法で選んだとしか思えなかったが、まさかの好投。正直、ケッペルのこの試合での好投と、生で見たイースタンの試合の乱調との相関関係がわからない。だとすれば斎藤も…と好意的な解釈も成り立つかもしれない。

もっともケッペルは4月20日のフューチャーズ戦での復帰登板から計9試合、ファームで登板。最多投球数が100球で、その登板を含め90球以上となったのが三試合あった。敗戦処理。のような素人にはわかりにくいチェック項目があってそれを段階を経てクリアしてきたということだろう。だとすると、斎藤はまだフューチャーズ戦を含めても四試合目の登板。最多投球数も今日の75球。ケッペルが三試合達した5イニング投球も経験していない。ケッペルと斎藤では故障の内容が異なるので一概に比較は出来ないが、復帰登板が二ヶ月ずれていることを考えると、斎藤もあと二ヶ月くらいはかかると、観る側も長い目で観るしかないのではないか。

一年目に6勝、二年目の昨年は5勝を挙げた右腕が先発ローテーションに入れないのは今年のファイターズがパ・リーグでなかなか浮上できない一因だと思っている。もちろん、こうなってしまった以上は完璧に治して上がってほしいが…。

今ケッペルと比較したが、誤解を恐れずに言えば、斎藤が復活すればケッペルの復活とは別の意味で大きなプラスを球団に及ぼすと思う。

まずマスコミが飛びつく。そしてファンが続く。斎藤の人気は今でも変わらない。野球ファンという領域を超えて支持されるプロ野球選手は十二球団を見渡してもそうはいない。これは決して「客寄せパンダ」と言っているのではない。大谷翔平の前人未踏の“二刀流”とも様相を異にする、いわば社会現象にも匹敵する注目度を持っている斎藤佑樹の復活は単純に星勘定だけの問題ではないと思う。


試合の方は斎藤をリリーフした根本が代わりっぱなの井野にタイムリー二塁打を打たれただけでなく続く藤村大介にもタイムリーを打たれ、四回表にして0対4。前日のゴールデンイーグルス戦では0対4から終盤に追いつき、延長戦でサヨナラ勝ちしたファイターズだが、その後も根本が五回に大田にレフトポール際に場外本塁打を打たれるなど追加点を重ねられ、一方的なまま試合は終わった。


【15日・ファイターズスタジアム】
G 200 210 120 =8
F 000 000 000 =0
G)福田、○今村、渡辺−井野、鬼屋敷
F)●斎藤、根本、植村、榊原、若竹−尾崎
本塁打)橋本3号ソロ(斎藤・1回)、大田6号ソロ(根本・5回)


ジャイアンツでは大田は二試合連続本塁打。14試合連続安打となった。大田は本塁打のあと、七回にもライト前にタイムリーを放った。
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高橋由伸、谷佳知の両ベテランが一軍復帰後も味のある活躍をしており、その高橋由、谷の一軍復帰に伴って二軍落ちした松本哲也が、オールスター前で先発投手の必要数が減ったのに乗じて一軍復帰したので外野手の大田としてはなかなか一軍に上がれないかもしれないが、ここは声がかかるまで調子を維持していくしかあるまい。

高橋由、谷と入れ替えで二軍落ちしたのは松本哲ともう一人、小笠原道大。「六番、指名打者小笠原…」とスタメンの発表でも大拍手。相変わらずの人気健在ぶり。今日は斎藤との二度の対決、四球と空振り三振だけでおしまい。第三打席に代打加治前竜一を送られた。


ジャイアンツでは福田聡志がイースタンでは4月20日以来約三ヶ月ぶりの先発。

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昨年一軍で50試合に登板。先発投手などに突発的なアクシデントがあった時などにロングリリーフでチームを救い、「ミスター緊急登板」とも言われ、シーズン終盤には勝利の方程式の一角をも担った存在だけに、復調が待たれる存在だ。今日はファイターズ打線を4イニングで被安打1と抑え込んだ。今後も先発に取り組むのだろうか?

二番手は二年目の今村信貴。
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9日のゴールデンイーグルス戦で先発して2イニングで4失点してKO。敗戦投手になったリベンジをファイターズにぶつけた。福田と同じ4イニングを投げて被安打2ながら同じく無失点で勝利投手となった。

このカードはフレッシュオールスター前の17日までの三連戦。ファイターズでは17日に新外国人選手のトーマスの先発が予定されているそうだ。明日は上沢と予想。ジャイアンツは17日は中六日でデニス・ホールトンと予想するが明日がわからない。育成ドラフト1位の田原啓吾あたりか…。

さて、海の日といえばC☆Bの誕生日。2006年にデビューしたC☆Bだが、その翌年からファイターズは海の日を含む三連休に「鎌スタ☆祭」と銘打って様々なイベントを展開している。特筆すべきことは2007年から今年で七年のうち、六年間にファイターズは海の日に鎌ヶ谷で主催試合を組めている。イースタン・リーグにはファームの本拠地での主催試合を有料化していない球団が三球団あるとはいえ、今年でいえば有料開催のジャイアンツを相手に主催試合を組んでいるのだから大した営業力である。


今回も地元にゆかりのシンガーの演奏や、B☆Bとポリーからのお祝いのメッセージが読み上げられていたが、読み上げていたアテンドの羽生みずきさんの声が途中から涙声になっていた。
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今日は羽生さんの他に過去二代のC☆Bのアテンドの女性が鎌スタに顔を揃えていた。両先輩を前に緊張していたのだろうか…。

また、拙blogでも何回か前振りしていたプールが前日の14日からオープン。
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最終形がどうなるか心配していたが、完璧な防球ネットが設けられた。隣のパラソルシートも涼しそうだ。

また、イベントには欠かせないドナルドもマクドナルドの店舗のクルーと共に登場。
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今日は出番が少ないなと思っていたら試合後のグラウンドでのファンとのふれあいイベントにも参加していた。


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また、何気に雪が降っていた。

これ、当たると意外に痛い<笑>。


そんなこんな、お祭りムードに斎藤登板、相手がジャイアンツと観客動員のあらゆる要素が揃った結果、今日は今季では4月29日のベイスターズ戦の4,354人に次ぐ今季二位の4,173人が入場した。
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トップの4,354人が入った4月29日のベイスターズ戦では劇的なサヨナラ勝ちでファイターズファンを魅了したファイターズナイン。今日ももうちょっとどうにかならなかったのだろうか…。


むしろジャイアンツファンにとってのお祭りのような試合展開に…。

本塁打にタイムリーと大活躍の大田は帰りのバスに乗り込む前にファンのサインに応じていた。
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出待ちのファンからは「珍しい…」との声も。今日も本塁打を打つ前は「立派な背番号が泣いてるぞ」との野次が飛んでいた。野次を黙らせるには結果を出すのが一番…。