ずっと独身でいるつもり? (28) 結婚しないと寂しくて死ぬ?

写真拡大

私は、結婚に対して夢があります。

それは、一人の人と、継続した信頼関係や恋愛関係を築いていくことです。

そういうことを考えていると、相手と自分の相性が重要に思えるので、なかなか「とにかくまず結婚!」とは思いにくいです。

しかし、最近、ひどく落ち込むことがあり、家に閉じこもっていたとき、ふと思ったのです。

「とにかく、何でもいいから早く結婚しないと、私、死ぬかもしれない……」人によると思いますが、私は、自分が落ち込んでいる状態を「恥ずかしい」と思う気持ちがあります。

こうしてその状態から抜け出してしまえば、笑って話すことも、書くこともできるのですが、その最中は、そんな姿を誰にも見られたくないと思います。

特に、親しい友人、家族など、心配してくれる人には言いたくありません。

でも、そういうときに思うのです。

こんな弱った状態を見せられる相手がいれば、そういう人にしがみついて泣くことができれば、どんなにいいだろうかと。

好きな相手が苦しんでいるときに、そう思うこともあります。

自分が支えられるのなら、どんなにいいかと思います。

もちろん、結婚すれば誰でもそういう関係になれるとは思いません。

他人ですから、理解し合えない部分も必ずあるでしょうし、どこまで自分のことを見せるかということが、心を開くということではなく、ただのだらしない甘えや、一方的な寄りかかりになることもあります。

でも、独身の今の状態は、私にとって、そういう関係を作るチャレンジすらできていない状態なのです。

このまま生きていくことを考えると、人生はあまりに長く、つらいものだと思います。

そこまで思っても、婚活に踏み切る度胸もない中途半端な状態が続いているのは、なぜなのでしょうか。

どこかに、愛し愛されて結婚したいという夢があり、そういう結婚でなければ、この寂しさは埋まらないと、そう思っているからではないでしょうか。

愛し愛されても、埋まらない孤独というのはあると思います。

でも、そんなもの、今の段階ではわかりません。

ただひとつわかることは、こういう鬱々としたことを考えているときは、時間があればあるほど苦痛だということです。

だから「死にたい」と、そこまで飛躍して考えるのです。

生きるというのは、時間があるということですから。

とりあえず、その時間を忘れるには、私の場合は仕事です。

暗く深い寂しさの穴から抜け出すきっかけは、いつも仕事です。

仕事ができるようになれば、ある程度時間を忘れられるし、寂しさも忘れられます。

出産した友人が「子供産んでから、忙しくて『寂しい』っていう気持ちは完全に忘れた」と言っていたことがあります。

人と接するということは、基本的に「忙しい」ことで、一人の時間が減ることです。

寂しさで死なず生きるためには、その「忙しさ」を、どこかで引き受けないといけないのかもしれない。

最近は、ときどき、そう思うのです。

イラスト: 野出木彩