「ブクブク交換」inフィレンツェ。国内23ヶ所、海外ではロサンゼルスでも開催

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「あ〜ぁ、せっかくの休みなのに、LINEばっかりやっていて誰とも喋ってない」…SNSを通じた知り合いは多いのに、実際に人に会って話す機会が少なくなっている現代、本を通じて人と人とがつながるイベント「ブクブク交換」が盛り上がっている。国内外25都市で開催されていて、本好きの間で話題の「ブクブク交換」について、発案者でプロデューサーのテリー植田さんにお話を伺った。

と、その前に、ブクブク交換とは何か、基本的な流れを簡単に紹介すると…
・それぞれ、人に紹介したいおすすめの本を持ち寄る
・参加者の前で、持参した本を選んだ理由、どこが面白かったか、その本にまつわるエピソードなどを紹介する
・全員による紹介が終わったところで、本の間に名刺(名前等がわかるカード)を挟んでおいて、テーブルに全ての本を並べる(この時、ヴィレッジヴァンガード風に手書きのPOPをつけておく)
・好きな本を持ってきた冊数だけ、持って帰る

というもの。終わった後も、その場でお互いに本の話をしてもいいし、帰った後で、感想をメールで送るのもよし。

――「ブクブク交換」を立ち上げようと思ったきっかけは何ですか?
「以前から本をテーマにしたイベントをやりたいと思っていました。単なるトークショーではありきたりだし、読書家と言わないまでも、本好きが集まって気楽に話が出来る、こぢんまりとした会が出来ないかと思ったんです。そこで、好きな本を交換するイベントを立ち上げたら面白いんじゃないかと、3年前の2月3日に思いつきまして、ツイッターで『2月5日に新宿のカフェBe-Waveに、好きな本を持って集まりましょう』とツイートしたら、23人も集まったんです。お互いに持ってきた本について紹介しあったところ、ものすごく盛り上がりまして。それが『ブクブク交換』の始まりです。まぁ、その日に集まった23人のほとんどが、出版関係の人だったんですけど(笑)。でも、それだけ本が好きな人が多いんだと思いました」

このことは、これまたツイッターを通じて話題となり、フィレンツェ在住の方からも問い合わせのメールが届いたという。

「『ぜひ、フィレンツェでもブクブク交換を』という内容でした。でも、さすがに遠くてフィレンツェには行けないなぁと思っていると『カフェで僕らが開催します』とのことで、『そうか、自主的に開催してくれる人がいたら、お任せすればいいんだ』と思いましたね」

自分の街でも「ブクブク交換」を開きたいと思った方が次々と現れ、既に北海道から沖縄、ロサンゼルスなど25の都市で開催されている。さらに…

●企業研修でも「ブクブク交換」が行われている、現代ならではの理由

企業研修の一貫として「ブクブク交換」を開いている企業がある。しかし、それにはネット社会ならではの理由があるようで…
「例えば、3000人規模の会社があったとして、『ブクブク交換』を開いたとしても、その場で『はじめまして』ということがよくあります。これは、コミュニケーションがとれていない証であって、企業としてはもったいないと思うんです。少しでもコミュニケーションがとれていれば、お互いに仕事もお願いしやすくなると思うんです。『ブクブク交換』は、自己紹介を兼ねているため、社員同士の潤滑油的な役割があることから、取り入れる企業が増えています」

また、企業だけではなく、小学校で他の学年との交流を図るために開かれたり、病院で患者さん同士のコミュニケーションの場として開かれたり、大きなマンションのコミュニティースペースで開かれたり…と、広がりを見せている。

ちなみに…

●2月9日は「ブックの日」

2(ブッ)9(ク)ということで、2月9日は「ブックの日」。この日は「ブクブク交換」が都内2ヵ所の他、大阪、浜松でも開催される。
テリーさん曰く「最終的には、バレンタインデーのように、2月9日に日本のみならず全世界で本の交換をする習慣ができればと、ちょっと本気で思っています」

では、「ブクブク交換」のプロデューサーであるテリー植田さんは、どんな人なのかというと…
「25歳まではCMプランナーの仕事をしていて、その後、コールセンターマネージメントの仕事をしながらロフトプラスワンなどでトークライブやDJイベントをプロデュースしていましたね。現在は、ブクブク交換はじめ、東急ハンズの売場企画、イベントプロデュースやお台場のイベントスペース『TOKYO CULTURE CULTURE』で開催するイベントのプロデュースを行っています。5年間で700本のイベントをプロデュースしてきました」

ちなみに、CMプランナーになる前はというと、大阪の北新地の有名な外国人バーのDJや、京都の東映太秦映画村でアルバイトをしていた経験も。
「担当は小道具でした。デビューしたての頃の役所広司さんに、草履を渡して履いていただいたこともあります」

「経験値じゃんけん」というものがあるとしたら、一発で負けてしまいそうな程の、変わった経験がゾロゾロと…

話を「ブクブク交換」に戻すと、一言で言ってしまえば本の交換なのだが、他の人がどんな本を読んでいのるかという、センスとセンスの交換の場ともなっている。趣味がピッタリな人に会えるかもしれないわけで、淡い期待を抱きながら参加するのもいいかも。(やきそばかおる)


「ブクブク交換」公式サイト
http://bukubuku.net/

「ブックの日」の2月9日(土曜日)は
・(東京)八重洲ブックセンター
・(東京)ビブリオバトル×一箱古本市×ブクブク交換 in 西荻夕市
・(大阪)ブクブク交換@谷町空庭+cafe granpa!
・(浜松)ブクブク交換 さぬきっこ in浜松
が開催される。時間や会場など詳細は「ブクブク交換」公式サイトにて。
個人、もしくは企業等で開催してみたいという方も、お気軽に公式サイトからご相談を。