韓国の丸亀製麺だけで売られている「ビビンうどん」。

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お手ごろ価格で本格的な讃岐うどんが食べられる「丸亀製麺」が、昨年12月下旬に韓国初上陸。ここには何と、韓国限定メニュー「ビビンうどん」なるものがあるという。一体どんなものか、1号店となる弘大店にさっそく足を運んでみた。

「ビビン」とは韓国語で「混ぜる」の意味。韓国で「ビビン冷麺」と言えば、冷麺にコチュジャンソースがたっぷり入った、よく混ぜて食べる激辛冷麺のこととなる。注文した「ビビンうどん」(中4800ウォン=約400円)は、おなじみの讃岐うどんに、真っ赤な濃厚ソースが絡まり、具として半熟卵とキュウリ、ハムが添えられている。韓国のビビン冷麺を連想させるビジュアルだ。他のメニューとは違い冷うどんだけの選択となるのも、まさにビビン冷麺のうどん版といえる。さて、気になるお味のほうは?
ひとくち食べて驚いた。コチュジャンの強烈な辛さをイメージしていたのだが、意外にも甘辛い。この味は、日本の盛岡冷麺や冷やし中華のそれに近いかもしれない。冷やされたことで更に引き締まった讃岐うどんのコシのある食感も含め、予想以上に「日本の味」であった。

「韓国にあわせるのか、日本にあわせるのか迷いましたが、まずは日本の味を紹介することをベースに考えました」とは、韓国の丸亀製麺を運営する「TORIDOLL KOREA」取締役の清水氏。どうりで日本人にしっくりくる味付けなわけだ。韓国の人の反応は、「美味しい」という声もあれば、「辛さが足りない」という声もあり、賛否両論だそう。
なお、酢漬けの青唐辛子が乗った、日本では「青唐ぶっかけうどん」という夏のメニューが、韓国なら通常メニューとして食べられる(韓国での商品名は「青唐辛子うどん」中4800ウォン)。冬もこの味を楽しみたい人は、韓国でどうぞ。

このような各国限定のローカライズ商品は、既にチェーン展開中の中国、タイにもあるそう。中国には「豚骨うどん」「麻辣うどん」、タイには「スパイシーポークうどん」などがあり、それらの味も気になるところ。現在は他にも香港、ハワイに店舗があり、今年中に台湾、オーストラリア、ロシアにも店舗展開する予定なのだとか。ロシア限定うどんとは……ボルシチうどん? 勝手な妄想は広がるばかりだ。

麺が細めの韓国伝統手打ちうどん「カルグクス」とは異なり、コシのある太麺が特徴の讃岐うどん。韓国人の利用者には「もちもちしていておいしい」と好評なのだとか。日本人の利用者も多く、心待ちにしていた在住者や、観光の途中で日本の味を求めてやってくる旅行者も多いそう。
「とはいえ、韓国の方にはまだまだ知られていません。これからですよ」。日本の味が韓国に、ひいては世界に羽ばたいていくのを、これからも応援したい。
(清水2000)