クリスマスにぴったりな工芸茶「エンジェル」。
お湯を注ぐと、真っ白なジャスミンがかぐわしいアーチをつくり、
まるで天使が羽を休めているかのよう。

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12月に入り、一気にクリスマスムードが高まってきた今日この頃。レストランで豪華なディナーもいいけれど、いつもよりちょっと手をかけたお料理とクリスマスケーキを用意して、家でのんびり家族と過ごすという人も多いのでは? そんなときにおすすめなのが、華やかでロマンティックな気分を盛り上げてくれる中国発祥の「工芸茶」なるもの。

熟練した職人さんが茶葉を手で揉み、糸状にしたものをよりあわせて漢方効果のある花などを包んで楕円形に整え、ひとつひとつ手づくりするお茶のことである。ガラスポットにポンと入れてお湯を注ぐと、次第にふわーっと茶葉が開いてゆき、幻想的な花々、孔雀や鳳凰、美女など、物語を感じさせるモチーフがゆらめいてドラマティック!まさに「お茶の芸術」といった趣きなのだ。

「クロイソス」という工芸茶専門店を運営する、株式会社メルキュール代表の合田由佳さんにお話を伺ってみたところ、「工芸茶」というのは1986年に安徽省黄山の汪芳生氏によって考案されたものだそう。同社が現在のような形で工芸茶を日本に紹介するようになったのは2005年頃からで、最初は高級ホテルやレストランなどでティータイムの演出としてふるまっていたという。そこで「工芸茶」の美しさ優雅さに魅せられたお客さんが次第に個人的に買いにくるようになり、それなら116種類ある工芸茶を一堂に並べ、テイスティングもしてもらえる場をつくろうと東京と大阪に実店舗もオープン。実をいうと、私も大阪・四天王寺にある店舗で試飲させていただいてから、すっかり世界にはまってしまった一人である。
大阪店ではお茶請けとして、近くの「河藤」というお店の銘菓「割氷」を一緒に出してくれて、中国茶と和菓子の美しいハーモニーにしびれた次第……。

クリスマスにぴったりなのは画像の「エンジェル」などで、サイトでは初心者におすすめのものをアソートしたクリスマス限定のギフトボックスも販売中。お茶好きの家族や友人に、ポットつきのものを贈りものにしても喜ばれそう! 1個あたり約350円〜600円というお値段は高価と思われるかもしれないが、ひとつの工芸茶で2〜3人分入れることができ、なんと3煎目まで楽しめるということなのでむしろリーズナブルといえるのではないだろうか。

「煎ってつくられる中国茶は、蒸してつくられる日本茶とは独自の発展を遂げてきました。楽しみ方も少し異なってきます。1煎目は日本茶に慣れていると少し薄いと感じられるかもしれないのですが、2煎目、3煎目と淹れることで成分がじっくりと抽出され、味わいが変化していくのも楽しみのひとつなんですよ。緑茶と紅茶の2種類があるので、食事中は緑茶を存分に楽しみ、デザートタイムには紅茶に切り替える……といったおもてなしもおすすめです」とのことだった。

たとえば、まずは緑茶の「エンジェル」で食事を楽しんだ後に、夜空にきらめく星々をイメージした紅茶、「紅五星」(これは、茶葉そのものも星のかたち!)でデザートを楽しむ……というのもありかもしれません。
ちょっと気が早いが忘年会には辰年よさようなら、ということでリアルな「龍神茶」、来年のお正月には初春にぴったりな「櫻花恋歌」という淡いピンクの桜が入ったものなんかもいいなあ……と妄想。
そんなわけで、今年の年末年始にはシャンパンやビールだけでなく、目にも楽しい「工芸茶」も用意してみてはいかがでしょう?
(まめこ)