たこ焼き屋の前で勢ぞろいしたガッチャマンの面々。ここは日本でした。

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フランスで日本のアニメ、漫画、テレビゲームの文化を取り上げるのはジャパンエキスポだけではない。テレビゲームなどを紹介する展示会も、ジャパンエキスポと同じような日本文化紹介の役割を担っている。そこで今月1日と2日に、南仏トゥールーズ市内の催事場パルク・デ・エクスポジションでおこなわれたトゥールーズ・ゲームショウ(TGS)へ行ってみた。どのような雰囲気なのだろうか。

客層はジャパンエキスポとほぼ同じだ。コスプレした来場者も多く、ジャパンエキスポのようにコスプレ・コンクールも開催されていた。日本の漫画・アニメやゲームのキャラクターのほかにも、猫耳やゴスロリの格好をしている来場者も多く、加えて会場入口の案内係は日本の制服を連想させるチェックのミニスカートにルーズソックスという出で立ちだった。イベント名に「ジャパン」の文字は無いが、日本を意識していることは確実だ。

企業ブースはゲーム関連会社が中心。しかし、会場内でおこなわれるイベントは声優のサイン会などジャパンエキスポとあまり変わらない。漫画・アニメ、ゲームのグッズを販売するブースも多数出店している。違いを挙げるとすれば、ジャパンエキスポよりは、『アイアンマン』をはじめとする米マーベル・コミック系や『スター・ウォーズ』などSFファンがどちらかといえば多い。

そして印象的だったのは会場の盛況さ。多くの来場者で会場内は歩くのも困難な場所が多くあり大変賑わっていた。会場内で日本食販売のブースを出していた2店舗によれば、どちらも客が途切れることはなく予想以上の売り上げだったそうだ。途中、用意していた食材がなくなり、近所の小売店へ材料の買い出しをしたほどだったという。

日本からのゲストはテレビゲームの関係者が中心となっている。今回はファイナルファンタジーのキャラクターデザインを担当した天野喜孝さんやゲームデザイナーの須田剛一さんが招待された。歌手は女性ユニット・バニラビーンズなどがライブを披露した。

もちろんフランスには、日本の伝統文化に興味があるフランス人も多いが、若い世代は圧倒的に漫画・アニメ、テレビゲームが日本へ興味を持つきっかけになっている。加えて、それら3分野のファン層はかぶっているため、ジャパンエキスポがおこなわれていない地域でも、トゥールーズ・ゲームショウのようなイベントが、日本好きフランス人の受け皿となる結果になっている。
(加藤亨延)