物が散らかってしまう理由はただひとつ……?(写真はイメージです)

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タレントや一般人のお宅に収納の達人が訪れ、部屋をキレイに生まれ変わらせるという、よくあるテレビ番組の企画。

部屋の主が「わ〜! 別の部屋みたい!」と歓声をあげつつ、手にとったものを何気なく戻したりする様子を見るたび、「こんなにキレイになっても、きっと一週間後には元通りなんだろうな」と、つい思ってしまう。
自分を含め、片付けが苦手な人には、たぶん「無意識に散らかす行動パターン」が染みついていると思うのだ。
そう考えると、「片付け方」を学ぶよりも、そもそも「散らかすときのクセ」を自覚し、治すことが必要なんじゃないだろうか。

片付け下手の行動パターンには、どんなものが あるのか。12月10日に新刊『取り出し簡単!すっきり片づく「仕分け」収納術』を出版予定の整理収納アドバイザー・西口理恵子さんに聞いた。

「散らかしてしまう人の原因は、実ははっきりしています。それは、『モノの住所が決まっていない』ことです。住所が決まれば、おのずと適正量も決まってくるので、部屋がスッキリするはずですよ」
確かに、我が家の散らかりパターンを考えてみると、「無造作に雑誌などを床や枕元に置く→その上に雑誌や本、書類などが積まれ、後に山積みになる」といったケースが多い。雑誌などをラックに収まる量にすれば良いのだろうけど、それがなかなかできないのも事実だ。
「大切なのは、『見せたいものしか見せない勇気』を持つことです。例えば、そのファブリーズは見せたいものですか? そうじゃないのなら、机の下や近くにカゴを置くなどして、その中に入れ、見せないようにしましょう」
まるで我が家を見られているような鋭い指摘に、ドキッとする……。

「カゴやひきだしにしまう場合は、『ラベリング』しましょう。カゴの中でも縦に置くなど、すべてが一目で見えるようにすることが大切です。例えば、紅茶のティーパックは箱のまましまっておくから、在庫がわからず、つい余分に買ってしまうんです。ガラスの瓶に移して見えるようにすれば、余分なものは買わなくなります」
またまた我が家が見られているみたい。

それにしても、「ラベリング」って必要?
「ラベリングは、重要ですよ。というのも、『自分がわかれば良い』と思いがちですが、例えば、缶詰のところに、つつい別のものを入れてしまうことありますよね? それが、ラベルに書いてあると、別のものを置くクセが防げるんです」
確かに、「いったんちょっとだけココに置こう」のつもりで他のものを置いたことから、後にぐちゃぐちゃになるのは、よくあるケース。

「生活の動線をできるだけ短くすることも大切ですね。例えば、電気ケトルの下に紅茶のカップやティーパックなど一式を置き、一歩も動かずに用意できるようにすると良いですよ」
入り切らないものは、いったん箱にしまうというのも、もちろん厳禁! 把握できないものがどんどん溜まることは、目に見えているからだ。

どれもこれも自分自身やっている行動パターンだけど、これらは別々の原因でなく、「モノの住所が決まる」だけで解決するのだとしたら……さっそく取り入れてみたいと思いました。
(田幸和歌子)