クリスチャン・ディオールとコラボしたプランタンのショーウィンドー。

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クリスマスまで1カ月を切り、パリでも至る所で年末に向けた街の衣替えが始まっている。現地からその様子をお伝えします。

先月21日にはパリを代表する通り、シャンゼリゼ通りのイルミネーションが始まった。 昨年は仏女優・オドレイ・トトゥが 執りおこなっていた点灯式に、今年は独女優ダイアン・クルーガーが参加。2.5kmの通り沿いに植えられた200の木々が150万個の光によって飾られた。

電飾にはLEDが用いられており、来年1月10日まで17時から翌2時の間点灯される。期間中の消費電力はLEDを使うことにより3万8800kwhと見積もられており、 2006 年まで使われていた従来の電球だと48万kwhかかっていたことから、大幅な省エネが実現されている。イルミネーションのデザインは昨年一新されたが、旧来のものと比べ華やかさがなく不評だったこともあり、今年は昨年7mだった電飾の高さを14mまで大きくした。取り付けの総工費は110万ユーロ(約1億1700万円)かかったという。

街路樹の電飾に加えて同通り沿いではクリスマス市も開かれており、コンコルド広場に毎年設置される観覧車も営業を開始した。

ギャラリー・ラファイエットとプランタンの2大百貨店が並ぶオスマン通り沿いのイルミネーションも6日から始まっている。

今年100周年を迎えたギャラリー・ラファイエットのショーウィンドーには、「世紀の舞踏会」と題したルイ・ヴィトンによるデコレーションがお目見え。館内にはネオ・ビサンチン様式のドーム型ステンドグラスの下に、スワロフスキーによって5000以上のクリスタルで彩られた 直径9m高さ21mの巨大なクリスマスツリーが登場した。ディズニーによる『シンデレラ』のカボチャの馬車も置かれ、さらに同百貨店のファサードを彩るイルミネーションも今年新しくなった。

一方でプランタンは、クリスチャン・ディオールによって「パリ風インスピレーション」をテーマに装飾されたウィンドーで対抗。クリスマスに向けて、プレゼントを求める多くの買い物客で賑わっている。

シャンゼリゼ通りやオスマン通りのほかにも、フォーラム・デ・アルやヴァンドーム広場、ベルシー・ヴィラージュなどパリの主なショッピング・エリアでもイルミネーションが始まった。さらに市内120以上の通りが1月半ばまで光で飾られる予定だ。いよいよパリの夜は1年でもっとも美しく輝く季節を迎えた。
(加藤亨延)