不動産アドバイザーに聞く。賃貸部屋で楽器の演奏はOK?
「部屋を探している学生さんや20代の方、小中学生のお子さんがいる方たちから、『楽器の演奏はOKですよね?』とよく聞かれます」と話すのは、「安全で快適なひとり暮らし」などをテーマに不動産アドバイザーとして活躍する穂積啓子さん。
トラブルのケースとアドバイスについて、お話を伺いました。
■「楽器不可」という記述がなくても、原則として禁止ケース1:子どもの習い事をきっかけにピアノを購入したAさん。
契約書に「ピアノ不可」とは書いていなかったため、当然OKだと思ったと言います。
数日後、管理会社から、「階下の住人から『ピアノの音がうるさい』と苦情が出ています」という連絡が……。
この場合、演奏してはいけないのでしょうか。
穂積さん:賃貸住宅では、社会通念上、集合住宅であるマンションで「楽器の使用」は不可なのです。
契約書に「ピアノ不可」とか「楽器の演奏禁止」という記述がなくても、楽器の演奏は一般的に、「周囲の住人に騒音の迷惑が及びそうなこと」と考えられています。
Aさんにすれば、「ええっ!? ピアノがだめとは聞いてないのに!」と思われるかもしれません。
でも、契約書の「禁止事項」には、「騒音源等、他人に迷惑を及ぼす物品を建物内に持ち込むこと」などの項目が必ず記載されています。
家主やほかの住人からすると、ピアノなどの楽器もそれにあたることになります。
トラブルに高じると、楽器に関わらず、「契約書に具体的な記述がなければ何をしてもいいのか」という解釈につながっていきます。
この解釈は、ピアノに限らず、ギターやトランペット、ドラム、太鼓など、全ての楽器にあてはまります。
このごろは、「楽器不可」と書く契約書が増えていますが、慣習によって、まだ「ピアノ不可」という言葉を使っていることもあります。
その場合、「ピアノに限らず全ての楽器の演奏はしないでください」という意味です。
Aさんは入居前に管理会社からこのような説明を十分に受けていなかったと主張されましたが、その点について家主が謝罪したこと、またご自分で弁護士に相談してこれらの事情をくみとられ、楽器が可能な一軒家に移転されました。
■消音機能がある楽器でも禁止ケース2:契約書に「楽器不可」と書いてあったので、ヘッドホン着用で音を消せる「電子ピアノ」を管理会社に確認せずに購入したBさん。
周囲に迷惑をかけないからOKと思っていたところ、後日、管理人から「何か楽器を使っていませんか?」と聞かれ、「電子ピアノでもダメです。
演奏はやめてください」と言われたそう。
釈然としないBさん……。
消音機能を使っても楽器はNGなのでしょうか。
ケース1:はい、原則禁止です。
問題は楽器から出る音だけではなく、「固体振動音」という鍵盤をたたく音やペダルを踏む音にもあります。
この音は床や壁などを伝わる性質があり、上下左右の部屋に限らず、ななめ下やななめ上の部屋へも振動を与えることがあるのです。
本人はヘッドホンから流れる演奏の音で気付かなくても、近隣の住人には騒音となって響いていることが多々あり、トラブルを引き起こすもととなります。
では、部屋で楽器演奏がしたい場合はどうすればいいのでしょうか。
穂積さんはこうアドバイスをします。
「自己判断をせずに、部屋探しにあたってはピアノ可や楽器OKと書いてある物件を探しましょう。
演奏可能な場合は、広告や部屋の概要書に明記されています。
また、仲介業者に『楽器の演奏ができる部屋を探している』ということをはっきりと伝えましょう。
分譲マンションの方が楽器の許可が得やすい、音楽大学や音楽科がある大学の近くでは探しやすいという傾向はありますが、演奏できる時間帯(10時〜20時までなど)、楽器の種類などの規約が細かく決められていることが多いので、契約前に確認してください」入居中に楽器が欲しくなった場合は、「契約書に楽器についての記載がなくても、楽器を買う前に管理会社や家主に『防音対策をするので楽器演奏をしてもいいですか?』、『消音できる電子ピアノであればかまいませんか?』などと尋ねましょう。
トラブルのケースとアドバイスについて、お話を伺いました。
■「楽器不可」という記述がなくても、原則として禁止ケース1:子どもの習い事をきっかけにピアノを購入したAさん。
数日後、管理会社から、「階下の住人から『ピアノの音がうるさい』と苦情が出ています」という連絡が……。
この場合、演奏してはいけないのでしょうか。
穂積さん:賃貸住宅では、社会通念上、集合住宅であるマンションで「楽器の使用」は不可なのです。
契約書に「ピアノ不可」とか「楽器の演奏禁止」という記述がなくても、楽器の演奏は一般的に、「周囲の住人に騒音の迷惑が及びそうなこと」と考えられています。
Aさんにすれば、「ええっ!? ピアノがだめとは聞いてないのに!」と思われるかもしれません。
でも、契約書の「禁止事項」には、「騒音源等、他人に迷惑を及ぼす物品を建物内に持ち込むこと」などの項目が必ず記載されています。
家主やほかの住人からすると、ピアノなどの楽器もそれにあたることになります。
トラブルに高じると、楽器に関わらず、「契約書に具体的な記述がなければ何をしてもいいのか」という解釈につながっていきます。
この解釈は、ピアノに限らず、ギターやトランペット、ドラム、太鼓など、全ての楽器にあてはまります。
このごろは、「楽器不可」と書く契約書が増えていますが、慣習によって、まだ「ピアノ不可」という言葉を使っていることもあります。
その場合、「ピアノに限らず全ての楽器の演奏はしないでください」という意味です。
Aさんは入居前に管理会社からこのような説明を十分に受けていなかったと主張されましたが、その点について家主が謝罪したこと、またご自分で弁護士に相談してこれらの事情をくみとられ、楽器が可能な一軒家に移転されました。
■消音機能がある楽器でも禁止ケース2:契約書に「楽器不可」と書いてあったので、ヘッドホン着用で音を消せる「電子ピアノ」を管理会社に確認せずに購入したBさん。
周囲に迷惑をかけないからOKと思っていたところ、後日、管理人から「何か楽器を使っていませんか?」と聞かれ、「電子ピアノでもダメです。
演奏はやめてください」と言われたそう。
釈然としないBさん……。
消音機能を使っても楽器はNGなのでしょうか。
ケース1:はい、原則禁止です。
問題は楽器から出る音だけではなく、「固体振動音」という鍵盤をたたく音やペダルを踏む音にもあります。
この音は床や壁などを伝わる性質があり、上下左右の部屋に限らず、ななめ下やななめ上の部屋へも振動を与えることがあるのです。
本人はヘッドホンから流れる演奏の音で気付かなくても、近隣の住人には騒音となって響いていることが多々あり、トラブルを引き起こすもととなります。
では、部屋で楽器演奏がしたい場合はどうすればいいのでしょうか。
穂積さんはこうアドバイスをします。
「自己判断をせずに、部屋探しにあたってはピアノ可や楽器OKと書いてある物件を探しましょう。
演奏可能な場合は、広告や部屋の概要書に明記されています。
また、仲介業者に『楽器の演奏ができる部屋を探している』ということをはっきりと伝えましょう。
分譲マンションの方が楽器の許可が得やすい、音楽大学や音楽科がある大学の近くでは探しやすいという傾向はありますが、演奏できる時間帯(10時〜20時までなど)、楽器の種類などの規約が細かく決められていることが多いので、契約前に確認してください」入居中に楽器が欲しくなった場合は、「契約書に楽器についての記載がなくても、楽器を買う前に管理会社や家主に『防音対策をするので楽器演奏をしてもいいですか?』、『消音できる電子ピアノであればかまいませんか?』などと尋ねましょう。